武治提要 / 武義・第4段
正義は信を要旨とす。決斷して、而して後或は其約を變じ、或は其言を食ときは、衆情そむく。そむくときは、大切にのぞんで、三軍指揮に屬せず。屬せざるときは、其陣必ず破る。國を奪はれ、社稷を失の機微なり。可不愼乎。
新字:正義は信を要旨とす。決断して、而して後或は其約を変じ、或は其言を食ときは、衆情そむく。そむくときは、大切にのぞんで、三軍指揮に属せず。属せざるときは、其陣必ず破る。国を奪はれ、社稷を失の機微なり。可不慎乎。
書き下し
正義は信を要旨とす。決斷して、而して後或は其約を變じ、或は其言を食ときは、衆情そむく。そむくときは、大切にのぞんで、三軍指揮に屬せず。屬せざるときは、其陣必ず破る。國を奪はれ、社稷を失の機微なり。可不愼乎。
現代語訳
正義は信を要旨とする。決断して、その後あるいは約束を変え、あるいは前言を食めば、衆情は背く。背けば、大切な場面で三軍は指揮に従わない。従わなければ、その陣は必ず破れる。国を奪われ、社稷を失う機微である。慎まずにおれようか。
解説
正義は信を要とし、決断のあとで約束を変えたり前言を食んだりすれば、衆情が背くと言います。背けば三軍は指揮に従わず、陣は破れ、国と社稷を失うところまで行く、と連鎖を示し、最後に「慎まずにおれようか」と締めます。小さな約束の揺れが、大切な場面で組織が動かなくなる原因になるという筋です。現代でも、方針の朝令暮改は部下の信頼を削ります。変えるなら理由を示して変える、という点を含め、日々の一言の重さを自覚する手がかりになります。
この章句が説くこと
信約束前言衆情指揮武治提要
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