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晏子春秋 / 外篇上・仲尼稱晏子行補三君而不有果君子也

仲尼曰:「靈公汙,晏子事之以整齊。莊公壯,晏子事之以宣武。景公奢,晏子事之以恭儉。晏子,君子也,相三君而善不通下,晏子,細人也。」晏子聞之,見仲尼,曰:「嬰聞君子有譏于嬰,是以來見。如嬰者,豈能以道食人者哉!嬰之宗族,待嬰而祀其先人者數百家,與齊國之簡士,待嬰而舉火者數百家。嬰為此仕者也。如嬰者,豈能以道食人者哉!」晏子出,仲尼送之以賓客之禮,再拜其辱,反,命門弟子曰:「救民之姓而不誇,行補三君而不有,晏子,果君子也。」

新字:仲尼曰:「霊公汚,晏子事之以整斉。荘公壮,晏子事之以宣武。景公奢,晏子事之以恭倹。晏子,君子也,相三君而善不通下,晏子,細人也。」晏子聞之,見仲尼,曰:「嬰聞君子有譏于嬰,是以来見。如嬰者,豈能以道食人者哉!嬰之宗族,待嬰而祀其先人者数百家,与斉国之簡士,待嬰而舉火者数百家。嬰為此仕者也。如嬰者,豈能以道食人者哉!」晏子出,仲尼送之以賓客之礼,再拝其辱,反,命門弟子曰:「救民之姓而不誇,行補三君而不有,晏子,果君子也。」

書き下し

仲尼曰く、「霊公は汚なり、晏子之に事うるに整斉を以てす。荘公は壮なり、晏子之に事うるに宣武を以てす。景公は奢なり、晏子之に事うるに恭倹を以てす。晏子は、君子なり。三君に相として善は下に通ぜず。晏子は、細人なり」と。晏子之を聞き、仲尼に見えて曰く、「嬰聞く、君子に嬰を譏る有りと。是を以て来り見ゆ。嬰の如き者は、豈に能く道を以て人を食ましめん者ならんや。嬰の宗族、嬰を待ちて其の先人を祀る者数百家、斉国の簡士、嬰を待ちて火を挙ぐる者数百家。嬰は此が為に仕うる者なり。嬰の如き者は、豈に能く道を以て人を食ましめん者ならんや」と。晏子出づ。仲尼之を送るに賓客の礼を以てし、再拝して其の辱を謝し、反りて、門弟子に命じて曰く、「民の姓を救いて誇らず、三君を行補して有せず。晏子は、果たして君子なり」と。

現代語訳

仲尼は言いました。「霊公は汚れていたが、晏子は整った秩序で仕えた。荘公は血気盛んだったが、晏子は武を宣べて仕えた。景公は奢っていたが、晏子は恭しく倹約で仕えた。晏子は君子である。三君に宰相として仕えながら、その善が下に行き渡らなかった。晏子は小人である。」晏子はこれを聞き、仲尼に会いに行って言いました。「君子が私をそしっていると聞き、会いに参りました。私のような者が、どうして道で人を食べさせられる者でしょうか。私の一族で、私を頼って先祖を祀る者が数百家あり、斉の国の簡朴な士で、私を頼って火を起こして煮炊きする者が数百家あります。私はこのために仕えている者です。私のような者が、どうして道で人を食べさせられる者でしょうか。」晏子が出ていくと、仲尼は賓客の礼で見送り、再拝して来訪を謝し、戻ると弟子たちに命じて言いました。「民の暮らしを救っても誇らず、三君を補っても自分のものとしない。晏子は、やはり君子である。」

解説

同じ晏子への評が、仲尼と晏子の問答を経て逆転する段です。仲尼は初め、晏子が霊公・荘公・景公に合わせてそれぞれ補ったことを認めながらも、善が下に届かなかった点を小人と評しました。晏子は自分から訪ね、仕えるのは一族や士の暮らしを支えるためで、道で人を養える者ではないと低く答えます。それを聞いた仲尼は、民を救っても誇らず、君を補っても自分のものとしないと評価を改め、礼を尽くして見送りました。この逸話の成否は断定できませんが、評価が相手の態度で変わることを描いています。現代の経営者も、批判の声を直接聞きに行く姿勢が、評価の見直しにつながります。

この章句が説くこと

君子批判評価謙遜仲尼晏子春秋

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