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晏子春秋 / 外篇上・晏子衣鹿裘以朝景公嗟其貧晏子稱有飾

晏子相景公,布衣鹿裘以朝。公曰:「夫子之家,若此其貧也,是奚衣之惡也,寡人不知,是寡人之罪也。」晏子對曰:「嬰聞之,蓋顧人而後衣食者,不以貪味為非,蓋顧人而後行者,不以邪僻為累。嬰不肖,嬰之族,又不如嬰也,待嬰以祀其先人者五百家。嬰又得布衣鹿裘而朝,於嬰不有飾乎!」再拜而辭。

新字:晏子相景公,布衣鹿裘以朝。公曰:「夫子之家,若此其貧也,是奚衣之悪也,寡人不知,是寡人之罪也。」晏子対曰:「嬰聞之,蓋顧人而後衣食者,不以貪味為非,蓋顧人而後行者,不以邪僻為累。嬰不肖,嬰之族,又不如嬰也,待嬰以祀其先人者五百家。嬰又得布衣鹿裘而朝,於嬰不有飾乎!」再拝而辞。

書き下し

晏子景公に相たり、布衣鹿裘にして以て朝す。公曰く、「夫子の家、此くの若く其れ貧しきや。是れ奚ぞ衣の悪しき。寡人知らず。是れ寡人の罪なり」と。晏子対えて曰く、「嬰之を聞く、蓋し人を顧みて而る後に衣食する者は、味を貪るを以て非と為さず。蓋し人を顧みて而る後に行う者は、邪僻を以て累と為さず。嬰不肖にして、嬰の族又嬰に如かざるなり。嬰を待ちて以て其の先人を祀る者五百家。嬰又布衣鹿裘を得て朝す。嬰に於て飾り有らざらんや」と。再拝して辞す。

現代語訳

晏子は景公の宰相でしたが、麻の衣と鹿の皮衣で朝廷に出ました。公は言いました。「あなたの家は、こんなに貧しいのか。どうして衣がこれほど粗末なのか。私は知らなかった。これは私の罪である。」晏子は答えました。「私はこう聞いております。人を顧みてから衣食を整える者は、美味を貪るのを非としません。人を顧みてから行う者は、邪で偏った行いを累とは思いません。私は取るに足りない者で、私の一族は私にも及びません。私を頼って先祖を祀っている者が五百家あります。その私が麻の衣と鹿の皮衣で朝廷に出られるのですから、私にとっては立派な飾りではありませんか。」晏子は再拝して辞しました。

解説

景公が晏子の粗末な身なりを自分の落ち度と受けとめ、晏子が答える段です。公は晏子の貧しさを知らなかった、これは寡人の罪だと述べます。晏子は、衣食を整える前に人を顧みるという一般論を示したうえで、自分を頼って祀りを続ける者が五百家あることを挙げ、粗衣でも朝廷に立てることを飾りだと言います。着るものの質素さを、貧しさでなく責任の重さから語っているのが特徴です。現代の経営者や管理職も、自分の待遇を考えるとき、背後に生活を預ける人がいることを思い出す必要があります。肩書の重さは、見た目より、何を背負っているかに表れます。

この章句が説くこと

質素責任宰相身なり祭祀晏子春秋

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