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晏子春秋 / 外篇上・景公有疾梁丘據裔款請誅祝史晏子諫

其所以蕃祉老壽者,為信君使也,其言忠信於鬼神,其適遇淫君,外內頗邪,上下怨疾,動作辟違,從欲厭私,高臺深池,撞鐘舞女,斬刈民力,輸掠其聚,以成其違,不恤後人,暴虐淫縱,肆行非度,無所還忌,不思謗讟,不憚鬼神。神怒民痛,無悛於心,其祝史薦信,是言罪也,其蓋失數美,是矯誣也。進退無辭,則虛以求媚,是以鬼神不饗,其國以禍,祝史與焉。其所以夭昏孤疾者,為暴君使也,其言僣扌叚於鬼神。」公曰:「然則若之何?」對曰:「不可為也,山林之木,衡鹿守之;澤之萑蒲,舟鮫守之;藪之薪蒸,虞候守之;海之鹽蜃,祈望守之。縣鄙之人,入從其政;逼邇之關,暴征其私。承嗣大夫,強易其賄。布常無藝,征斂無度,宮室日更,淫樂不違,內寵之妾,肆奪於市;外寵之臣,僣令於鄙,私欲養求,不給則應。

新字:其所以蕃祉老寿者,為信君使也,其言忠信於鬼神,其適遇淫君,外内頗邪,上下怨疾,動作辟違,従欲厭私,高台深池,撞鐘舞女,斬刈民力,輸掠其聚,以成其違,不恤後人,暴虐淫縦,肆行非度,無所還忌,不思謗讟,不憚鬼神。神怒民痛,無悛於心,其祝史薦信,是言罪也,其蓋失数美,是矯誣也。進退無辞,則虚以求媚,是以鬼神不饗,其国以禍,祝史与焉。其所以夭昏孤疾者,為暴君使也,其言僣扌叚於鬼神。」公曰:「然則若之何?」対曰:「不可為也,山林之木,衡鹿守之;沢之萑蒲,舟鮫守之;藪之薪蒸,虞候守之;海之塩蜃,祈望守之。県鄙之人,入従其政;逼邇之関,暴征其私。承嗣大夫,強易其賄。布常無芸,征斂無度,宮室日更,淫楽不違,内寵之妾,肆奪於市;外寵之臣,僣令於鄙,私欲養求,不給則応。

書き下し

其の祉を蕃くし老寿なる所以の者は、信なる君の使いを為せばなり。其の言は鬼神に忠信なり。其の適たま淫君に遇えば、外内頗邪にして、上下怨み疾み、動作辟違し、欲に従い私に厭き、高台深池、鐘を撞き女を舞わせ、民力を斬刈し、其の聚を輸掠し、以て其の違いを成し、後人を恤えず、暴虐淫縦にして、肆に非度を行い、還り忌む所無く、謗讟を思わず、鬼神を憚らず。神怒り民痛みて、心に悛むる無く、其の祝史信を薦むれば、是れ罪を言うなり。其の蓋し数の美を失えば、是れ矯誣なり。進退辞無ければ、則ち虚しく以て媚びを求む。是を以て鬼神饗けず、其の国は禍を以てし、祝史も与る。其の夭昏孤疾する所以の者は、暴君の使いを為せばなり。其の言は鬼神に僣して扌叚す」と。公曰く、「然らば則ち之を若何せん」と。対えて曰く、「為す可からざるなり。山林の木は、衡鹿之を守り、沢の萑蒲は、舟鮫之を守り、藪の薪蒸は、虞候之を守り、海の塩蜃は、祈望之を守る。県鄙の人は、入りて其の政に従い、逼邇の関は、其の私を暴征す。承嗣の大夫は、強いて其の賄を易う。布常に芸無く、征斂に度無く、宮室は日に更まり、淫楽は違らず。内寵の妾は、市に肆に奪い、外寵の臣は、鄙に令を僣す。私欲の養い求め、給せざれば則ち応ず。

現代語訳

祝官や史官が福を増やして長寿を得るのは、誠実な君の使いとなったからで、その言葉は鬼神に対して忠実で偽りがありません。たまたま淫らな君に当たると、外も内も偏って邪になり、上下は怨み憎み、行いは曲がって背き、欲のままに私を満たしきり、高殿や深い池を造り、鐘を撞いて女に舞わせ、民の力を刈り取り、その蓄えを奪い取って、さらに悪を重ね、後の人を顧みず、暴虐で放縦で、思うままに法度を外れ、振り返って憚るものもなく、そしりを思わず、鬼神も恐れません。神は怒り民は痛みますが、心を改めることなく、祝官や史官が真実を述べれば、君の罪を言うことになります。事実を隠してよい面だけを述べれば、偽りになります。進むも退くも言葉がなければ、むなしく媚びを求めるしかありません。そのため鬼神は受け入れず、その国は禍にあい、祝史もそれに巻き込まれます。若死にや孤独や病を得るのは、暴君の使いとなったからで、その言葉は鬼神に対して身分を越えて偽りを述べるからです」。公は言いました。「ではどうすればよいのか」。答えて言いました。「手の打ちようがありません。山林の木は衡鹿が守り、沢の葦やがまは舟鮫が守り、藪の薪は虞候が守り、海の塩や貝は祈望が守っています。県や辺境の人は入って来てその政令に従い、近い関所では私財を暴力的に取り立てます。世襲の大夫は、無理に人の財貨を買い替えます。布令に基準がなく、取り立てに限度がなく、宮室は日ごとに造り替えられ、淫らな楽はやみません。内に寵愛された妾は市で勝手に奪い、外で寵愛された臣は辺境で命令を偽ります。私欲の養いを求め、満たせなければ応じて罰します。

解説

前の段の続きで、晏子は、徳ある君と淫らな君のもとで、祝官や史官の言葉がどう変わるかを対比します。淫君のもとでは、真実を述べれば君の罪を言うことになり、事実を隠して褒めれば偽りになる、どちらに転んでも祈りは通じない、という行き詰まりの説明です。公に打つ手を問われた晏子は、山林や沢や海の管理人、関所の取り立て、寵愛された妾や臣の横暴を並べ、国全体の仕組みが傷んでいることを指摘します。字が読みにくい箇所があるため、ここは前後の意味を取って訳しました。報告するほど不利になる組織では、真実は上がらなくなります。トップは、真実を言っても罰されない環境づくりを第一に据えたいところです。

この章句が説くこと

報告心理的安全性苛斂寵臣淫君晏子春秋

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