晏子春秋 / 雑下・景公病水瞢與日鬥晏子教占瞢者以對
景公病水,臥十數日,夜瞢與二日鬥,不勝。晏子朝,公曰:「夕者,吾瞢與二日鬥,而寡人不勝,我其死乎?」晏子對曰:「請召占瞢者。」立於閨,使人以車迎占瞢者。至曰:「曷為見召?」晏子曰:「夜者,公瞢與二日鬥,不勝,恐必死也,故請君占瞢。是所為也。」占瞢者曰:「請反具書。」晏子曰:「毋反書,公所病者,陰也;日者,陽也。一陰不勝二陽,公病將已。以是對。」占瞢者入,公曰:「寡人瞢與二日鬥而不勝,寡人死乎?」占瞢者對曰:「公之所病,陰也。日者,陽也。一陰不勝二陽,公病將已。」居三日,公病大愈,公且賜占瞢者。占瞢者曰:「此非臣之力,晏子教臣也。」公召晏子,且賜之。晏子曰:「占瞢者以臣之言對,故有益也,使臣言之,則不信矣,此占瞢者之力也,臣無功焉。」公兩賜之曰:「以晏子不奪人之功,以占瞢者不蔽人之能。」
新字:景公病水,臥十数日,夜瞢与二日鬥,不勝。晏子朝,公曰:「夕者,吾瞢与二日鬥,而寡人不勝,我其死乎?」晏子対曰:「請召占瞢者。」立於閨,使人以車迎占瞢者。至曰:「曷為見召?」晏子曰:「夜者,公瞢与二日鬥,不勝,恐必死也,故請君占瞢。是所為也。」占瞢者曰:「請反具書。」晏子曰:「毋反書,公所病者,陰也;日者,陽也。一陰不勝二陽,公病将已。以是対。」占瞢者入,公曰:「寡人瞢与二日鬥而不勝,寡人死乎?」占瞢者対曰:「公之所病,陰也。日者,陽也。一陰不勝二陽,公病将已。」居三日,公病大愈,公且賜占瞢者。占瞢者曰:「此非臣之力,晏子教臣也。」公召晏子,且賜之。晏子曰:「占瞢者以臣之言対,故有益也,使臣言之,則不信矣,此占瞢者之力也,臣無功焉。」公両賜之曰:「以晏子不奪人之功,以占瞢者不蔽人之能。」
書き下し
景公水を病み、臥すること十数日、夜瞢に二日と鬥いて勝たず。晏子朝す。公曰く、「夕者、吾瞢に二日と鬥いて、寡人勝たず。我其れ死せんか」と。晏子対えて曰く、「請う、瞢を占う者を召さん」と。閨に立ち、人をして車を以て占瞢者を迎えしむ。至りて曰く、「曷為れぞ召さるる」と。晏子曰く、「夜者、公瞢に二日と鬥いて勝たず。恐らくは必ず死せんと。故に君に瞢を占わんことを請う。是れ為す所なり」と。占瞢者曰く、「請う、反りて書を具えん」と。晏子曰く、「反りて書すること毋かれ。公の病む所の者は陰なり。日なる者は陽なり。一陰は二陽に勝たず。公の病将に已えんとす。是を以て対えよ」と。占瞢者入る。公曰く、「寡人瞢に二日と鬥いて勝たず。寡人死せんか」と。占瞢者対えて曰く、「公の病む所は陰なり。日なる者は陽なり。一陰は二陽に勝たず。公の病将に已えんとす」と。居ること三日、公の病大いに愈ゆ。公且に占瞢者に賜わんとす。占瞢者曰く、「此れ臣の力に非ず。晏子臣に教うるなり」と。公晏子を召し、且に之に賜わんとす。晏子曰く、「占瞢者臣の言を以て対う、故に益有るなり。臣をして之を言わしむれば、則ち信ならず。此れ占瞢者の力なり。臣功無し」と。公両つながら之に賜いて曰く、「晏子の人の功を奪わざるを以て、占瞢者の人の能を蔽わざるを以てなり」と。
現代語訳
景公は水の病にかかり、十数日寝込んでいました。夜、夢の中で二つの太陽と戦って勝てませんでした。晏子が朝廷に出ると、公は「昨夜、二つの太陽と戦う夢を見て、私は勝てなかった。私は死ぬのだろうか」と尋ねました。晏子は「夢占いの者を呼びましょう」と答え、宮中の小門に立って、車で占い師を迎えに行かせました。占い師は着くと「なぜお召しになったのですか」と尋ねます。晏子は「昨夜、公が二つの太陽と戦って勝てない夢をご覧になり、きっと死ぬのではと案じておられます。そこで夢を占っていただきたいのです」と言いました。占い師が「戻って占いの書を調べてまいります」と言うと、晏子は「書を調べる必要はありません。公の病は陰、太陽は陽です。一つの陰は二つの陽に勝てません。公の病はもうすぐ治まります。そう答えなさい」と言いました。占い師が入ると、公は「二つの太陽と戦って勝てなかった。私は死ぬのか」と尋ね、占い師は教えられたとおりに答えました。三日たつと、公の病は大いに癒えました。公は占い師に褒美を与えようとしましたが、占い師は「これは私の力ではありません。晏子が私に教えたのです」と言います。公が晏子を呼んで褒美を与えようとすると、晏子は言いました。「占い師が私の言葉を答えたので、効き目があったのです。私が自分で言ったのでは、信じてもらえなかったでしょう。これは占い師の力で、私に功はありません。」公は二人とも褒美を与えて言いました。「晏子が人の功を奪わず、占い師が人の能を覆い隠さなかったからだ。」
解説
この章句が説くこと
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