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晏子春秋 / 問上・景公問欲令祝史求福晏子對以當辭罪而無求

景公問晏子曰:「寡人意氣衰,身病甚,今吾欲具圭璧犧牲,令祝宗薦之乎上帝宗廟,意者祀可以幹福乎?」晏子對曰:「嬰聞之,古者先君之幹福也,政必合乎民,行必順乎神,節宮室,不敢大斬伐以無逼山林,節飲食,無多畋漁以無逼川澤。祝宗用事,辭罪而不敢有所求也。是以神民具順,而山川納祿。今君政反乎民,而行悖乎神,大宮室,多斬伐以逼山林,羨飲食,多畋漁以逼川澤,是以神民俱怨,而山川收祿,司過薦罪,而祝宗祈福,意者逆乎?」公曰:「寡人非夫子,無所聞此,請革心易行。」於是廢公阜之遊,止海食之獻。斬伐者以時,畋漁者有數。居處飲食,節之勿羨。祝宗用事,辭罪而不敢有所求也。故鄰國忌之,百姓親之,晏子沒而後衰。

新字:景公問晏子曰:「寡人意気衰,身病甚,今吾欲具圭璧犠牲,令祝宗薦之乎上帝宗廟,意者祀可以幹福乎?」晏子対曰:「嬰聞之,古者先君之幹福也,政必合乎民,行必順乎神,節宮室,不敢大斬伐以無逼山林,節飲食,無多畋漁以無逼川沢。祝宗用事,辞罪而不敢有所求也。是以神民具順,而山川納禄。今君政反乎民,而行悖乎神,大宮室,多斬伐以逼山林,羨飲食,多畋漁以逼川沢,是以神民倶怨,而山川収禄,司過薦罪,而祝宗祈福,意者逆乎?」公曰:「寡人非夫子,無所聞此,請革心易行。」於是廃公阜之遊,止海食之献。斬伐者以時,畋漁者有数。居処飲食,節之勿羨。祝宗用事,辞罪而不敢有所求也。故鄰国忌之,百姓親之,晏子没而後衰。

書き下し

景公晏子に問いて曰く、「寡人は意気衰え、身の病甚だし、今吾圭璧犠牲を具え、祝宗をして之を上帝宗廟に薦めしめんと欲す、意うに祀は以て福を幹むべきか」と。晏子対えて曰く、「嬰之を聞く、古者先君の福を幹むるや、政は必ず民に合し、行は必ず神に順い、宮室を節し、敢えて大いに斬伐して以て山林に逼ること無く、飲食を節し、多く畋漁して以て川沢に逼ること無し。祝宗事を用い、罪を辞して敢えて求むる所有らず。是を以て神民具に順い、山川禄を納む。今君の政は民に反し、行は神に悖り、宮室を大にし、多く斬伐して以て山林に逼り、飲食を羨にし、多く畋漁して以て川沢に逼る、是を以て神民俱に怨み、山川禄を収め、司過罪を薦め、而るに祝宗福を祈る、意うに逆ならんか」と。公曰く、「寡人夫子に非ざれば、此れを聞く所無し、請う心を革め行を易えん」と。是に於いて公阜の遊を廃し、海食の献を止む。斬伐する者は時を以てし、畋漁する者は数有り。居処飲食、之を節して羨なる勿し。祝宗事を用い、罪を辞して敢えて求むる所有らず。故に鄰国之を忌み、百姓之に親しみ、晏子没して後に衰う。

現代語訳

景公は晏子に尋ねました。「私は気力が衰え、病も重い。いま圭璧や犠牲を用意し、祝や宗に上帝や宗廟へ捧げさせようと思うのだが、祭りによって福を求められるだろうか」。晏子は答えました。「私はこう聞いています。昔の先君が福を求めるときは、政は必ず民に合い、行いは必ず神に順い、宮室を控えて、むやみに伐採して山林を圧迫することなく、飲食を控えて、狩りや漁を多くして川や沢を圧迫することがありませんでした。祝や宗が祭りを行うときは、罪を詫びるだけで、あえて何かを求めることはしませんでした。そのため神も民もともに順い、山川は恵みを納めました。いま君の政は民に反し、行いは神にそむき、宮室を大きくし、多く伐採して山林を圧迫し、飲食を贅沢にし、多く狩りや漁をして川や沢を圧迫しています。そのため神も民もともに怨み、山川は恵みを収め、罪を見張る役が君の罪を申し上げているのに、祝や宗は福を祈っています。逆ではないでしょうか」。景公は言いました。「私は先生でなければ、これを聞く機会がなかった。どうか心を改め、行いを変えさせてほしい」。そこで公阜での遊びをやめ、海食の献上を止めました。伐採は時を選び、狩りや漁には数の限りを設け、暮らしと飲食は控えて贅沢をしないようにしました。祝や宗は祭りを行うとき、罪を詫びるだけで、あえて何も求めませんでした。そのため隣国は景公を憚り、民は親しみ、晏子が亡くなってから衰えました。

解説

病が重い景公が、犠牲を捧げて福を祈りたいと言うのに対し、晏子は祈りの前に政と行いを正すべきだと答えます。古の君主は、民に合う政を行い、山林や川沢を荒らさず、祭りでは罪を詫びるだけで求めなかったと述べました。いまの景公は、民にも神にも背き、贅沢を重ねながら福を祈っているのだから逆ではないか、という筋です。景公は素直に聞き入れ、遊びと贅沢を改め、隣国に憚られ民に親しまれたとされます。困ったときに外の力にすがるより、まず日頃の行いを点検するという姿勢は、現代の経営の危機対応にも通じます。

この章句が説くこと

祈り自省節度資源の保全行いを正す晏子春秋

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