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晏子春秋 / 諫上・景公將伐宋瞢二丈夫立而怒晏子諫

晏子曰:「夫湯、太甲、武丁、祖乙,天下之盛君也,不宜無後,今惟宋耳,而公伐之,故湯、伊尹怒,請散師以平宋。」景公不用,終伐宋。晏子曰:「伐無罪之國,以怒明神,不易行而續蓄,進師以近過,非嬰所知也。師若果進,軍必有殃。」軍進再舍,鼓毀將殪。公乃辭乎晏子,散師,不果伐宋。

新字:晏子曰:「夫湯、太甲、武丁、祖乙,天下之盛君也,不宜無後,今惟宋耳,而公伐之,故湯、伊尹怒,請散師以平宋。」景公不用,終伐宋。晏子曰:「伐無罪之国,以怒明神,不易行而続蓄,進師以近過,非嬰所知也。師若果進,軍必有殃。」軍進再舎,鼓毀将殪。公乃辞乎晏子,散師,不果伐宋。

書き下し

晏子曰く、「夫れ湯・太甲・武丁・祖乙は、天下の盛君なり。宜しく後無かるべからず。今、惟だ宋のみ。而るに公、之を伐つ。故に湯・伊尹怒る。請う、師を散じて以て宋を平らげよ」と。景公、用いず、終に宋を伐たんとす。晏子曰く、「無罪の国を伐ちて、以て明神を怒らせ、行いを易えずして蓄いを続け、師を進めて以て過ちに近づく。嬰の知る所に非ざるなり。師、若し果たして進まば、軍に必ず殃あらん」と。軍、進むこと再び舎するに、鼓毀れて将は殪る。公乃ち晏子に辞し、師を散じて、果たして宋を伐たず。

現代語訳

晏子は言いました。「そもそも湯、太甲、武丁、祖乙は、天下の盛んな君主でした。後継がなくなっていいはずがありません。いまの子孫はただ宋だけです。それなのに公はこれを討とうとなさる。そのため湯と伊尹が怒っているのです。どうか軍を解散して、宋とは和を結んでください」。景公は聞き入れず、結局宋を討とうとしました。晏子は言いました。「罪のない国を討って明らかな神を怒らせ、行いを改めずに悪い蓄えを重ね、軍を進めてさらに過ちに近づく。私にはわかりかねることです。軍が本当に進めば、必ず災いがあるでしょう」。軍は二度宿営を重ねたところで、太鼓が壊れ、将が倒れました。公はそこで晏子に詫び、軍を解散し、とうとう宋を討ちませんでした。

解説

前の段から続き、湯と伊尹の怒りの理由を晏子が述べます。湯をはじめとする盛君の子孫は今や宋だけで、その宋を討てば祖先の怒りを買うという筋です。景公はそれでも聞かず進軍しましたが、二度宿営したところで太鼓が壊れ将が倒れる不吉が起き、ようやく軍を解散しました。ここでの晏子は、罪のない国を討つことそのものを問題にし、神への怒りを理由に引いているのが特徴です。止まるべき合図を何度も無視し、実害が出て初めて立ち止まるのは、組織でもよく見られる失敗の型です。事前の進言で引き返せるうちに引き返す判断こそ、上に立つ者の本分と言えるでしょう。

この章句が説くこと

出兵無罪の国引き返す警告諫言晏子春秋

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