維摩経 / 不思議品第六(5)
爾時維摩詰語大迦葉。仁者。十方無量阿僧祇世界中作魔王者。多是住不可思議解脫菩薩。以方便力教化眾生現作魔王。又迦葉。十方無量菩薩。或有人從乞手足耳鼻頭目髓腦血肉皮骨聚落城邑妻子奴婢象馬車乘金銀琉璃車磲馬碯珊瑚琥珀真珠珂貝衣服飲食。如此乞者多是住不可思議解脫菩薩。以方便力而往試之令其堅固。所以者何。住不可思議解脫菩薩。有威德力故現行逼迫。示諸眾生如是難事。凡夫下劣無有力勢。不能如是逼迫菩薩。譬如龍象蹴踏非驢所堪。是名住不可思議解脫菩薩智慧方便之門。
新字:爾時維摩詰語大迦葉。仁者。十方無量阿僧祇世界中作魔王者。多是住不可思議解脱菩薩。以方便力教化衆生現作魔王。又迦葉。十方無量菩薩。或有人従乞手足耳鼻頭目髄脳血肉皮骨聚落城邑妻子奴婢象馬車乗金銀琉璃車磲馬碯珊瑚琥珀真珠珂貝衣服飲食。如此乞者多是住不可思議解脱菩薩。以方便力而往試之令其堅固。所以者何。住不可思議解脱菩薩。有威徳力故現行逼迫。示諸衆生如是難事。凡夫下劣無有力勢。不能如是逼迫菩薩。譬如竜象蹴踏非驢所堪。是名住不可思議解脱菩薩智慧方便之門。
書き下し
爾の時、維摩詰、大迦葉に語る。仁者よ、十方無量阿僧祇の世界の中に魔王と作る者は、多くは是れ不可思議解脱に住する菩薩なり。方便力を以て衆生を教化し、現じて魔王と作る。又、迦葉よ、十方無量の菩薩に、或いは人有り、従いて手足・耳鼻・頭目・髄脳・血肉・皮骨・聚落・城邑・妻子・奴婢・象馬・車乗・金銀・瑠璃・硨磲・瑪瑙・珊瑚・琥珀・真珠・珂貝・衣服・飲食を乞う。此くの如く乞う者は、多くは是れ不可思議解脱に住する菩薩なり。方便力を以て往きて之を試み、其をして堅固ならしむ。所以は何ん。不可思議解脱に住する菩薩は、威徳力有るが故に、現に逼迫を行じ、諸の衆生に是くの如き難事を示す。凡夫は下劣にして力勢有ること無く、是くの如く菩薩を逼迫すること能わず。譬えば龍象の蹴踏は、驢の堪うる所に非ざるが如し。是れを、不可思議解脱に住する菩薩の智慧方便の門と名づく。
現代語訳
そのとき維摩詰は大迦葉に言いました。あなたよ、十方の数えきれない世界で魔王となっている者は、多くが不可思議解脱に住する菩薩です。方便の力で衆生を教え導くために、あえて魔王の姿をとっているのです。また迦葉よ、十方の数えきれない菩薩のもとに、手足、耳鼻、頭や目、髄や脳、血肉、皮骨、村や町、妻子、奴婢、象や馬や車、金銀、瑠璃、硨磲、瑪瑙、珊瑚、琥珀、真珠、貝、衣服、飲食を求める人が現れることがあります。そのように求める者も、多くは不可思議解脱に住する菩薩です。方便の力で出向いて菩薩を試し、その心を堅固にするのです。なぜかといえば、不可思議解脱に住する菩薩には威徳の力があるので、あえて迫って、衆生にこのような難事を示すからです。凡夫は力が劣っていて、菩薩にこのように迫ることはできません。たとえば、龍や象が踏みつける力は、驢馬には耐えられないようなものです。これを、不可思議解脱に住する菩薩の智慧と方便の門と呼びます。
解説

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