養生訓 / 巻第八・灸治
一坐して點せば坐して灸す、臥して點せば臥して灸す。上を先に灸し下を後に灸す。少きを先にし多きを後にすべし。一灸する時、風寒にあたるべからず。大風、大雨、大雷、陰霧、大暑、大寒、雷電、虹蜺にあはば止めて灸すべからず。天氣晴れて後灸すべし。急病はかゝはらず。灸せんとする時、もし大に飽き大に飢ゑ、酒に醉ひ、大に怒り憂ひ悲み、すべて不祥の時灸すべからず。房事は、灸前三日、灸後七日忌むべし。冬至の前五日後十日、灸すべからず。
新字:一坐して点せば坐して灸す、臥して点せば臥して灸す。上を先に灸し下を後に灸す。少きを先にし多きを後にすべし。一灸する時、風寒にあたるべからず。大風、大雨、大雷、陰霧、大暑、大寒、雷電、虹蜺にあはば止めて灸すべからず。天気晴れて後灸すべし。急病はかゝはらず。灸せんとする時、もし大に飽き大に飢ゑ、酒に酔ひ、大に怒り憂ひ悲み、すべて不祥の時灸すべからず。房事は、灸前三日、灸後七日忌むべし。冬至の前五日後十日、灸すべからず。
書き下し
一坐して点せば坐して灸す、臥して点せば臥して灸す。上を先に灸し下を後に灸す。少きを先にし多きを後にすべし。一灸する時、風寒にあたるべからず。大風、大雨、大雷、陰霧、大暑、大寒、雷電、虹蜺にあはば止めて灸すべからず。天気晴れて後灸すべし。急病はかかはらず。灸せんとする時、もし大に飽き大に飢ゑ、酒に酔ひ、大に怒り憂ひ悲み、すべて不祥の時灸すべからず。房事は、灸前三日、灸後七日忌むべし。冬至の前五日後十日、灸すべからず。
現代語訳
座って点(つぼの位置)を定めたら座って灸をし、横になって点を定めたら横になって灸をします。上を先に灸をし、下を後に灸をします。少ないものを先にし、多いものを後にすべきです。灸をするときは、風や寒さにあたってはいけません。大風、大雨、大雷、陰気な霧、猛暑、厳寒、雷、虹にあったら、やめて灸をしてはいけません。天気が晴れてから灸をすべきです。急病はこれにかかわりません。灸をしようとするとき、もしひどく満腹だったりひどく空腹だったり、酒に酔ったり、ひどく怒ったり憂えたり悲しんだりしているなど、すべて不吉な時には灸をしてはいけません。房事は、灸の前三日、灸の後七日は忌むべきです。冬至の前五日、後十日は灸をしてはいけません。
解説
この章句が説くこと
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『呻吟語』内篇・談道・過ちは已發の後に在らず發して節に中たらざるは、過ち已發の後に在らず。
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史記 楚世家因りて之に一名都を賂ひ、之と斉を伐つに如かず。是れ我秦に亡ひて、償ひを斉に取るなり。吾が国尚ほ全うすべし。今王已に斉に絶ちて欺きを秦に責む。是れ吾秦・斉の交はりを合はせて天下の兵を来たすなり。国必ず大いに傷つかん」と。楚王聴かず、遂に和を秦に絶ち、兵を発して西のかた秦を攻む。秦も亦た兵を発して之を撃つ。十七年春、秦と丹陽に戦ふ。秦大いに我が軍を敗り、甲士八万を斬り、我が大将軍屈匄・裨将軍逢侯丑等七十余人を虜にし、遂に漢中の郡を取る。楚の懐王大いに怒り、乃ち悉く国の兵もて復た秦を襲ひ、藍田に戦ふ。大いに楚の軍を敗る。韓・魏楚の困しむを聞き、乃ち南のかた楚を襲ひ、鄧に至る。楚聞きて、乃ち兵を引きて帰る。十八年、秦使ひをして約して復た楚と親しみ、漢中の半ばを分かちて以て楚に和せんとす。楚王曰く、「願はくは張儀を得ん。地を得んことを願はず」と。張儀之を聞き、楚に之かんことを請ふ。秦王曰く、「楚且に子に甘心せんとす。奈何」と。張儀曰く、「臣其の左右靳尚に善し。靳尚又能く楚王の幸姫鄭袖に事ふるを得たり。袖の言ふ所従はざる者無し。且つ儀前に使ひして楚に負くに商於の約を以てす。今秦・楚大いに戦ひ、悪有り。臣面自ら楚に謝するに非ずんば解けず。且つ大王在り。楚宜しく敢て儀を取らざるべし。誠に儀を殺して以て国に便ならば、臣の願ひなり」と。儀遂に楚に使ひす。至る。懐王見えず。因りて張儀を囚へ、之を殺さんと欲す。儀靳尚に私す。靳尚為に懐王に請ひて曰く、「張儀を拘へば、秦王必ず怒らん。天下楚の秦無きを見て、必ず王を軽んぜん」と。又夫人鄭袖に謂ひて曰く、「秦王甚だ張儀を愛す。而して王之を殺さんと欲す。今将に上庸の地六県を以て楚に賂ひ、美人を以て楚王に聘し、宮中の善く歌ふ者を以て之が媵と為さんとす。楚王地を重んじ、秦の女必ず貴ばれん。而して夫人必ず斥けられん。夫人言ひて之を出だすに若かず」と。
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