養生訓 / 巻第二・総論下
一飮食は身を養ひ、ねぶり臥すは氣を養ふ。しかれども、飮食節に過ぐれば脾胃をそこなふ。ねぶり臥す事時ならざれば元氣をそこなふ。此二は、身を養はんとして、かへつて身をそこなふ。よく生を養ふ人は、つとに起きよはに寢ねて、晝いねず、常にわざをつとめて怠らず、ねぶり臥す事をすくなくして神氣をいさぎよくし、飮食をすくなくして腹中を淸虛にす。かくのごとくなれば、元氣よくめぐり、ふさがらずして病生ぜず。發生の氣其養を得て、血氣おのづからさかんにして病なし。是寢食の二の節に當れるは、また養生の要なり。
新字:一飲食は身を養ひ、ねぶり臥すは気を養ふ。しかれども、飲食節に過ぐれば脾胃をそこなふ。ねぶり臥す事時ならざれば元気をそこなふ。此二は、身を養はんとして、かへつて身をそこなふ。よく生を養ふ人は、つとに起きよはに寝ねて、昼いねず、常にわざをつとめて怠らず、ねぶり臥す事をすくなくして神気をいさぎよくし、飲食をすくなくして腹中を清虚にす。かくのごとくなれば、元気よくめぐり、ふさがらずして病生ぜず。発生の気其養を得て、血気おのづからさかんにして病なし。是寝食の二の節に当れるは、また養生の要なり。
書き下し
一飲食は身を養ひ、ねぶり臥すは気を養ふ。しかれども、飲食節に過ぐれば脾胃をそこなふ。ねぶり臥す事時ならざれば元気をそこなふ。此二は、身を養はんとして、かへつて身をそこなふ。よく生を養ふ人は、つとに起きよはに寝ねて、昼いねず、常にわざをつとめて怠らず、ねぶり臥す事をすくなくして神気をいさぎよくし、飲食をすくなくして腹中を清虚にす。かくのごとくなれば、元気よくめぐり、ふさがらずして病生ぜず。発生の気其養を得て、血気おのづからさかんにして病なし。是寝食の二の節に当れるは、また養生の要なり。
現代語訳
飲食は体を養い、眠って横になることは気を養います。しかし、飲食が度を過ごせば脾臓や胃を損ないます。眠って横になることが時ならぬものであれば元気を損ないます。この二つは、体を養おうとしてかえって体を損なうのです。よく生を養う人は、朝早く起き夜半に寝て、昼は寝ず、いつも仕事に励んで怠らず、眠って横になることを少なくして精神を清らかにし、飲食を少なくして腹の中を清く空けておきます。このようにすれば元気がよくめぐり、ふさがらないので病が生じません。生まれ育つ気がその養いを得て、血気が自然に盛んになり病がありません。このように寝ることと食べることの二つが節度にかなっていることも、また養生の要です。
解説
この章句が説くこと
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