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養生訓 / 巻第二・総論下

一心は樂むべし、苦むべからず。身は勞すべし、やすめ過すべからず。凡わが身を愛し過すべからず。美味を食ひ過し、芳醞を飮み過し、色をこのみ、身を安逸にしておこたり臥す事を好む、皆是わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。又無病の人、補藥を妄に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。

新字:一心は楽むべし、苦むべからず。身は労すべし、やすめ過すべからず。凡わが身を愛し過すべからず。美味を食ひ過し、芳醞を飲み過し、色をこのみ、身を安逸にしておこたり臥す事を好む、皆是わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。又無病の人、補薬を妄に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。

書き下し

一心は楽むべし、苦むべからず。身は労すべし、やすめ過すべからず。凡わが身を愛し過すべからず。美味を食ひ過し、芳醞を飲み過し、色をこのみ、身を安逸にしておこたり臥す事を好む、皆是わが身を愛し過す故に、かへつてわが身の害となる。又無病の人、補薬を妄に多くのんで病となるも、身を愛し過すなり。子を愛し過して、子のわざはひとなるが如し。

現代語訳

心は楽しませるべきで、苦しめてはいけません。体は働かせるべきで、休ませ過ぎてはいけません。およそ自分の体を愛し過ぎてはいけません。美味を食べ過ぎ、よい酒を飲み過ぎ、色を好み、体を楽にして怠けて寝ていることを好むのは、みな自分の体を愛し過ぎるために、かえって自分の体の害となるのです。また病気でない人が補薬をむやみに多く飲んで病気になるのも、体を愛し過ぎるからです。子を愛し過ぎて、かえって子の災いとなるのと同じです。

解説

心は楽しませ、体は働かせよ、そして体を甘やかし過ぎるなと説いています。美食や安楽、無用の補薬は体を大事にしているつもりで実は害になる、という指摘は鋭いものです。益軒はこれを、子を可愛がり過ぎて駄目にする親にたとえました。益軒は『和俗童子訓』でも甘やかしを戒めています。サプリメントの飲み過ぎや過保護な休養など、健康のためのつもりが逆効果になっていないか、自分の習慣を見直すきっかけになる一節です。

この章句が説くこと

養生心身甘やかし補薬

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