大和俗訓 / 巻之八・応接
一人に交るには、つねに禮義を正しくすべし。禮義のはじめは、先威儀をとゝのふべし。威儀とは身の形儀をいふ。衣服を正しくし、顏色をとゝのへ、形を嚴にし、ことばを順にするを、威儀と云ふ。殊更ことばづかひ敬ひて、無禮なるべからず。言のなめげなるは、下部の交なり。言語容貌は、内心の外に見ゆる符なり。言と形を見きゝて、其内心の善惡は知れやすし。つゝしむべし。又言のうやまひ過ぎたるも禮にあらず、へつらへるなり。過不及なかるべし。
新字:一人に交るには、つねに礼義を正しくすべし。礼義のはじめは、先威儀をとゝのふべし。威儀とは身の形儀をいふ。衣服を正しくし、顔色をとゝのへ、形を厳にし、ことばを順にするを、威儀と云ふ。殊更ことばづかひ敬ひて、無礼なるべからず。言のなめげなるは、下部の交なり。言語容貌は、内心の外に見ゆる符なり。言と形を見きゝて、其内心の善悪は知れやすし。つゝしむべし。又言のうやまひ過ぎたるも礼にあらず、へつらへるなり。過不及なかるべし。
書き下し
一人に交るには、つねに礼義を正しくすべし。礼義のはじめは、先威儀をととのふべし。威儀とは身の形儀をいふ。衣服を正しくし、顔色をととのへ、形を厳にし、ことばを順にするを、威儀と云ふ。殊更ことばづかひ敬ひて、無礼なるべからず。言のなめげなるは、下部の交なり。言語容貌は、内心の外に見ゆる符なり。言と形を見ききて、其内心の善悪は知れやすし。つつしむべし。又言のうやまひ過ぎたるも礼にあらず、へつらへるなり。過不及なかるべし。
現代語訳
人と交わるには、いつも礼義を正しくしなさい。礼義の始めは、まず威儀を整えることです。威儀とは身の姿かたちや振る舞いをいいます。衣服を正しくし、顔色を整え、姿をおごそかにし、言葉をおだやかにすることを威儀といいます。とくに言葉づかいを敬って、無礼であってはいけません。言葉がぞんざいなのは、下働きの者の交わりです。言葉と容貌は、内心が外に見えるしるしです。言葉と姿を見聞きすれば、その内心の善悪は知れやすいものです。つつしみなさい。また言葉の敬いが過ぎるのも礼ではなく、へつらいです。過不及がないようにしなさい。
解説
この章句が説くこと
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