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大和俗訓 / 巻之七・躬行下

一よき人は、心を用ふる事多き故、事ごとによくをさまりて、過すくなし。よからざる人は、心を用ひずして、過多し。下部などの、智慮なくして、用にかなはざるは、皆心を用ひざればなり。心を用ふるとは何事ぞや、思案するを云ふなり。

書き下し

一よき人は、心を用ふる事多き故、事ごとによくをさまりて、過すくなし。よからざる人は、心を用ひずして、過多し。下部などの、智慮なくして、用にかなはざるは、皆心を用ひざればなり。心を用ふるとは何事ぞや、思案するを云ふなり。

現代語訳

よい人は心を用いることが多いので、事ごとによく治まって、過ちが少ない。よくない人は心を用いないので、過ちが多い。召使いなどが知恵や思慮がなくて役に立たないのは、みな心を用いないからです。心を用いるとは何のことか。思案することをいうのです。

解説

よい人と役に立たない人の違いは、生まれつきの能力より、心を用いるかどうかにあると益軒は言います。そして「心を用いる」とは、要するに考えることだと簡潔に定義しています。言われたことをただこなすのではなく、目的や相手の立場を考えて動く人は、仕事の質が違います。今の職場でいう「気が利く」「段取りがよい」という評価も、結局は考えて動いているかどうかにかかっています。能力の差より、考える習慣の差が大きいという教えは、誰にとっても励みになるでしょう。

この章句が説くこと

思案心仕事気配り過ち

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