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大和俗訓 / 巻之三・心術上

一凡つとめに退屈し、久しく勤めがたきは、おほかたは、精力のよわきにはあらず。氣ずゐにして、事を勤むるをきらひ、心いそがはしくて、みじかき故、むつかしく思ひて、はやく退屈するものなり。心しづかにして事をきらはず、次第に隨ひて、一づつ漸につとむれば、久しく勤めてもつかれず。怠なく、たゆみなければ、しづかにしても、はか行くものなり。

新字:一凡つとめに退屈し、久しく勤めがたきは、おほかたは、精力のよわきにはあらず。気ずゐにして、事を勤むるをきらひ、心いそがはしくて、みじかき故、むつかしく思ひて、はやく退屈するものなり。心しづかにして事をきらはず、次第に随ひて、一づつ漸につとむれば、久しく勤めてもつかれず。怠なく、たゆみなければ、しづかにしても、はか行くものなり。

書き下し

一凡つとめに退屈し、久しく勤めがたきは、おほかたは、精力のよわきにはあらず。気ずゐにして、事を勤むるをきらひ、心いそがはしくて、みじかき故、むつかしく思ひて、はやく退屈するものなり。心しづかにして事をきらはず、次第に随ひて、一づつ漸につとむれば、久しく勤めてもつかれず。怠なく、たゆみなければ、しづかにしても、はか行くものなり。

現代語訳

およそ務めに飽きて長く勤めにくいのは、たいていは精力が弱いからではありません。気ままで、事を勤めるのを嫌い、心がせわしく気が短いので、面倒に思って、早く飽きてしまうのです。心を静かにして事を嫌わず、順序に従って一つずつ少しずつ務めれば、長く勤めても疲れません。怠りがなく、たゆみがなければ、静かにしていても、はかどるものです。

解説

物事が長続きしない原因を分析した段です。益軒は、続かないのは体力や精力が弱いからではなく、気ままで心がせわしく気が短いからだと見抜きます。処方は、心を静かにして事を嫌わず、順序に従って一つずつ少しずつ進めることです。怠らずたゆまなければ、静かなやり方でもはかどると言います。大きな仕事を小さく分けて一つずつ片づける、勉強や運動を少しずつ毎日続けるといった、今の習慣づくりや仕事術の考え方と重なる、実践的な助言です。

この章句が説くこと

継続勤勉心習慣忍耐

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