大和俗訓 / 巻之二・為学下
一書を讀み學問せんとする人あれば、彼きらふ人、色々いひ妨げて、學問する事をそしる。誠ぞと心得て、學問を止むる人多し。又我が子に書を讀ませんとするに、かのきらふもの、書を讀めば病者になり、氣へり命みじかくなるなど言ひておどせば、親は子をいつくしむ心ふかくして、もし左もあるべきかと思ひて、書を讀ませざるゆゑ、其子は一生文盲に愚かにて身ををはる。あはれむべし。
新字:一書を読み学問せんとする人あれば、彼きらふ人、色々いひ妨げて、学問する事をそしる。誠ぞと心得て、学問を止むる人多し。又我が子に書を読ませんとするに、かのきらふもの、書を読めば病者になり、気へり命みじかくなるなど言ひておどせば、親は子をいつくしむ心ふかくして、もし左もあるべきかと思ひて、書を読ませざるゆゑ、其子は一生文盲に愚かにて身ををはる。あはれむべし。
書き下し
一書を読み学問せんとする人あれば、彼きらふ人、色々いひ妨げて、学問する事をそしる。誠ぞと心得て、学問を止むる人多し。又我が子に書を読ませんとするに、かのきらふもの、書を読めば病者になり、気へり命みじかくなるなど言ひておどせば、親は子をいつくしむ心ふかくして、もし左もあるべきかと思ひて、書を読ませざるゆゑ、其子は一生文盲に愚かにて身ををはる。あはれむべし。
現代語訳
書を読み学問をしようとする人がいると、学問を嫌う人がいろいろ言って妨げ、学問することをそしります。それを本当だと思って、学問をやめる人が多いのです。また自分の子に書を読ませようとすると、学問を嫌う者が「書を読めば病気になり、気が減って命が短くなる」などと言って脅すので、親は子をかわいがる心が深いあまり、もしやそうかもしれないと思って書を読ませないため、その子は一生文字を知らず愚かなままで身を終えます。憐れむべきことです。
解説
この章句が説くこと
関連する章句
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歎異抄・第十二条経釈を読み学せざる輩、往生不定の由のこと。この条、すこぶる不足言の義と言いつべし。 他力真実の旨を明かせる諸の聖教は、本願を信じ念仏を申さば仏に成る、そのほか何の学問かは往生の要なるべきや。 まことにこの理に迷えらん人は、いかにもいかにも学問して、本願の旨を知るべきなり。 経釈を読み学すといえども、聖教の本意を心得ざる条、もっとも不便のことなり。
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人物志・體別夫れ學は材を成す所以なり、疏は情を推す所以なり。偏材の性は、移轉すべからず。
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説苑・建本子思曰わく、学は才を益す所以なり、礪は刃を致す所以なり。吾嘗て幽処して深く思うも、学の速やかなるに若かず。吾嘗て跂ちて望むも、高きに登りて博く見るに若かず。故に風に順いて呼べば、声疾しきを加えざれども聞く者衆し。丘に登りて招けば、臂長きを加えざれども見る者遠し。故に魚は水に乗り、鳥は風に乗り、草木は時に乗る。
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