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大和俗訓 / 巻之一・為学上

およそ書をよみ、學問するは、道を知らんがためなり。道を知らざれば、廣く古今の書をよみ、詩文章をよく作りても要用なし。學問の本意にあらず。又四書五經等の文義に通じて、古今の書をひろく見ても、一生義理を知らざる人多し。道に志なければなり。又志ありても、まなびやう惡しければ、一生道を知らず。或は聰明の足らざる故にもよれり。知をひらくことを勤むべし。

新字:およそ書をよみ、学問するは、道を知らんがためなり。道を知らざれば、広く古今の書をよみ、詩文章をよく作りても要用なし。学問の本意にあらず。又四書五経等の文義に通じて、古今の書をひろく見ても、一生義理を知らざる人多し。道に志なければなり。又志ありても、まなびやう悪しければ、一生道を知らず。或は聰明の足らざる故にもよれり。知をひらくことを勤むべし。

書き下し

およそ書をよみ、学問するは、道を知らんがためなり。道を知らざれば、広く古今の書をよみ、詩文章をよく作りても要用なし。学問の本意にあらず。又四書五経等の文義に通じて、古今の書をひろく見ても、一生義理を知らざる人多し。道に志なければなり。又志ありても、まなびやう悪しければ、一生道を知らず。或は聰明の足らざる故にもよれり。知をひらくことを勤むべし。

現代語訳

おおよそ書を読み学問するのは、道を知るためです。道を知らなければ、広く古今の書を読み、詩文をよく作っても大切な役には立ちません。学問の本意ではありません。また四書五経などの文の意味に通じて、古今の書を広く見ても、一生義理を知らない人が多いのです。道に志がないからです。また志があっても、学び方が悪ければ一生道を知りません。あるいは聡明さが足りないためでもあります。知恵を開くことに努めるべきです。

解説

読書の目的は道を知ることであって、博識や文才ではないと改めて確かめる段です。益軒は道を知らない原因を三つ挙げます。志がないこと、学び方が悪いこと、聡明さが足りないことです。前の二つは自分で正せますし、三つめについても知恵を開く努力をせよと言います。本をたくさん読んでも何も変わらないと感じるときは、この三つのどこでつまずいているかを点検すると、学びの手ごたえを取り戻す手がかりになるでしょう。

この章句が説くこと

読書学問志学び方知恵

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