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山鹿語類 / 士道附錄・先生御僕之警戒

家僕居宅不詳。則生疾病。考寒暑之節。時其冷暖。其居唯以足容膝。寛乃會衆招他。催逸樂。其地遠司長。乃奸曲生。故或以人人便窺之地。或以監士時々改之。速在知其機也。男僕之居。不可近女家。有夫妻之宅。夫不居。則雖親緣。不可令壯夫漫往來。有用事。則兩人相共。凡人飮食既足。則有淫佚之機。尤可戒之。奴隷閑居獨座。則行奸曲。不然。則久寢慢易而生疾。故令設伍雜居其間。屬篤實之者。令爲監士。察其機也。

新字:家僕居宅不詳。則生疾病。考寒暑之節。時其冷暖。其居唯以足容膝。寛乃会衆招他。催逸楽。其地遠司長。乃奸曲生。故或以人人便窺之地。或以監士時々改之。速在知其機也。男僕之居。不可近女家。有夫妻之宅。夫不居。則雖親縁。不可令壮夫漫往来。有用事。則両人相共。凡人飲食既足。則有淫佚之機。尤可戒之。奴隷閑居独座。則行奸曲。不然。則久寝慢易而生疾。故令設伍雑居其間。属篤実之者。令為監士。察其機也。

書き下し

家僕の居宅詳らかならざれば、則ち疾病を生ず。寒暑の節を考へ、其の冷暖を時にす。其の居は唯だ膝を容るるに足るを以てす。寛なれば乃ち衆を会し他を招き、逸楽を催す。其の地司長に遠ければ、乃ち奸曲生ず。故に或いは人人の便に窺ふの地を以てし、或いは監士を以て時々之を改む。速やかに其の機を知るに在り。男僕の居は女家に近づくべからず。夫妻有るの宅は、夫居らざれば、則ち親縁と雖も、壮夫をして漫りに往来せしむべからず。用事有れば、則ち両人相共にす。凡そ人飲食既に足れば、則ち淫佚の機有り。尤も之を戒むべし。奴隷閑居独座すれば、則ち奸曲を行ふ。然らざれば、則ち久しく寝ねて慢易して疾を生ず。故に伍を設けて其の間に雑居せしめ、篤実の者を属して、監士と為し、其の機を察せしむ。

現代語訳

家僕の住まいに目が行き届かなければ、病気が生じる。寒暑の季節を考え、冷暖を時に応じて整える。その住まいはただ膝を入れるに足る広さでよい。広すぎれば人を集めたり外の者を招いたりして、遊び楽しみを始める。その場所が監督の長から遠ければ、悪だくみが生じる。だから人々がたやすく見通せる場所に置くか、監督役に時々見回らせて改めさせる。要はすばやくそのきざしを知ることにある。男の召使いの住まいは女の住まいに近づけてはならない。夫婦の住む家では、夫が留守のときは、たとえ親類であっても、若い男をみだりに出入りさせてはならない。用事があれば二人連れで行かせる。およそ人は飲み食いが満ち足りると、淫らな事に流れるきざしが生じる。とりわけこれを戒めるべきである。召使いがひまで一人きりでいると悪事をはたらく。そうでなければ長く寝てだらけ、病気になる。だから組(伍)を作ってその中に混ぜて住まわせ、まじめな者をつけて監督役とし、きざしを見張らせる。

解説

召使いの住まいについて、健康のための寒暖の配慮と、規律を保つための配置を具体的に定める。広すぎる部屋や監督から遠い場所は遊興や不正を生み、独りでいる者は悪事か怠惰に流れるという観察から、伍という組を作り、篤実な者を監士に立ててきざしを察せよと説く。人の性情を楽観も悲観もせず、環境と仕組みで行いを整えようとする素行の現実主義がよく出ている。職場の席の配置やチームの編成、見守りの仕組みを考えるうえでも示唆に富む。

この章句が説くこと

家僕監督住居家政規律伍

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