山鹿語類 / 士道・明衣服之制
而して衣裳の幅襞積、裁縫の制を正しくして、疎にすべからず。是古來の法也。不可忽。黃帝作冕。垂旒。目不邪視也。充纊示不聽讒言也。虞書。帝曰。予欲觀古人之象。日月星辰山龍華虫作會。宗彝藻火粉米黼黻絺繡以五采。彰施于五色。作服。汝明と出たり。衣冠の間、一つとして盛德を表し身を修むるの便りとせずと云ことなし。故に衣裳の幅皆天地の數をかたどり、其衣服を着すれば、自非禮の動なきが如くならしむ。深衣制。應規矩繩權衡。制十有二幅。以應十有二月。袂圜以應規。曲袷如矩以應方。下齊如權衡以應平と云へるがごとし。たとへば幅のはゞ廣くして一幅を以て二幅にかはらしむるにたれりと云ども、禮服は必ず天地陰陽の制に從て其制を正しくすべし。襞積を折ることも又然り。褻の衣、私の處にては便用を利して、或は幅をちゞめ或はひだを略して其宜に從ふこと、是又古の法也。惟裳は禮服にして、其四角に正しきを用て、幅に十二の數を用、襞是褶、積是疊といへども、孔子非惟裳必殺之と出たり。凡裳前三幅後四幅。象陰陽也。非帷襞。則斜裁倒合腰半。下齊倍要。無襞積。而有殺縫也といへり。禮服にはひだをとりて置て、私の襞はひだの所をそぎとりて、縫め計りを用ゆるとのこと也。
新字:而して衣裳の幅襞積、裁縫の制を正しくして、疎にすべからず。是古来の法也。不可忽。黄帝作冕。垂旒。目不邪視也。充纊示不聴讒言也。虞書。帝曰。予欲観古人之象。日月星辰山竜華虫作会。宗彝藻火粉米黼黻絺繍以五采。彰施于五色。作服。汝明と出たり。衣冠の間、一つとして盛徳を表し身を修むるの便りとせずと云ことなし。故に衣裳の幅皆天地の数をかたどり、其衣服を着すれば、自非礼の動なきが如くならしむ。深衣制。応規矩縄権衡。制十有二幅。以応十有二月。袂圜以応規。曲袷如矩以応方。下斉如権衡以応平と云へるがごとし。たとへば幅のはゞ広くして一幅を以て二幅にかはらしむるにたれりと云ども、礼服は必ず天地陰陽の制に従て其制を正しくすべし。襞積を折ることも又然り。褻の衣、私の処にては便用を利して、或は幅をちゞめ或はひだを略して其宜に従ふこと、是又古の法也。惟裳は礼服にして、其四角に正しきを用て、幅に十二の数を用、襞是褶、積是畳といへども、孔子非惟裳必殺之と出たり。凡裳前三幅後四幅。象陰陽也。非帷襞。則斜裁倒合腰半。下斉倍要。無襞積。而有殺縫也といへり。礼服にはひだをとりて置て、私の襞はひだの所をそぎとりて、縫め計りを用ゆるとのこと也。
書き下し
而して衣裳の幅襞積、裁縫の制を正しくして、疎にすべからず。是古来の法也。不可忽。黄帝作冕。垂旒。目不邪視也。充纊示不聴讒言也。虞書。帝曰。予欲観古人之象。日月星辰山竜華虫作会。宗彝藻火粉米黼黻絺繍以五采。彰施于五色。作服。汝明と出たり。衣冠の間、一つとして盛徳を表し身を修むるの便りとせずと云ことなし。故に衣裳の幅皆天地の数をかたどり、其衣服を着すれば、自非礼の動なきが如くならしむ。深衣制。応規矩縄権衡。制十有二幅。以応十有二月。袂圜以応規。曲袷如矩以応方。下斉如権衡以応平と云へるがごとし。たとへば幅のはゞ広くして一幅を以て二幅にかはらしむるにたれりと云ども、礼服は必ず天地陰陽の制に従て其制を正しくすべし。襞積を折ることも又然り。褻の衣、私の処にては便用を利して、或は幅をちゞめ或はひだを略して其宜に従ふこと、是又古の法也。惟裳は礼服にして、其四角に正しきを用て、幅に十二の数を用、襞是褶、積是畳といへども、孔子非惟裳必殺之と出たり。凡裳前三幅後四幅。象陰陽也。非帷襞。則斜裁倒合腰半。下斉倍要。無襞積。而有殺縫也といへり。礼服にはひだをとりて置て、私の襞はひだの所をそぎとりて、縫め計りを用ゆるとのこと也。
現代語訳
そして衣裳の幅や襞積(ひだ)、裁縫の制度を正しくして、おろそかにしてはならない。これは古来の法である。ゆるがせにしてはならない。「黄帝が冕を作り、旒を垂らしたのは、目がよこしまに見ないためである。纊(耳にあてる綿)を充てたのは、讒言を聞かないことを示すためである」。『書経』虞書に「帝(舜)は言われた。私は古人の象を見たいと思う。日・月・星辰・山・龍・華虫を絵に描き、宗彝・藻・火・粉米・黼・黻を絺(細い葛布)に刺繍して、五つの彩りで五色を明らかに施して服を作れ。汝(禹)はそれを明らかにせよ」と出ている。衣冠の間には、一つとして盛んな徳を表し身を修める助けとしないものはない。ゆえに衣裳の幅はみな天地の数にかたどり、その衣服を着ればおのずから非礼の動きがないようにさせる。「深衣の制度は規・矩・縄・権衡に応じる。十二幅で作り、十二か月に応じる。袂が円いのは規に応じ、曲がった襟が矩のようなのは方に応じ、下の裾が権衡のようなのは平に応じる」と言っているようなものである。たとえば幅の広い布で一幅をもって二幅に代えても足りると言っても、礼服は必ず天地陰陽の制度に従ってその形を正しくすべきである。襞積を折ることもまた同じである。褻の衣や私的な場では、使い勝手をよくして、あるいは幅を縮めあるいはひだを略してそのふさわしさに従うことも、これまた古の法である。ただ帷裳は礼服であって、その四隅を正しくし、幅に十二の数を用い、「襞は褶(ひだ)、積は畳むこと」というが、孔子は「帷裳でなければ必ず裁ち縮める」と『論語』に出ている。「およそ裳は前三幅、後ろ四幅で、陰陽にかたどる。帷裳でなければ、斜めに裁って逆さに合わせ、腰を半分にし、裾は腰の倍とし、襞積はなくて裁ち縫いがある」と言っている。礼服にはひだをとっておき、私的な服のひだはひだの所を削り取って縫い目だけを用いるということである。
解説
この章句が説くこと
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論語・八佾篇子、太廟に入り、事毎に問う。或曰く、『誰か鄒人の子を礼を知ると謂うや、太廟に入りて事毎に問う。』子これを聞きて曰く、『是れ礼なり。』
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論語・八佾篇子曰く、『夏の礼、吾能く之を言う。杞は徵すに足らず。殷の礼、吾能く之を言う。宋は徵すに足らず。文献足らざる故なり。足らば、則ち吾能く之を徵せん。』
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