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和俗童子訓 / 巻之五・教女子法

身のかざりは外の事なれば、唯身に應じたる衣服をもちひて、あながちに飾りて外にかゞやかし、人にほこるべからず。愚なる俗人、又賤しき下部、賤の女などに、衣服のはなやかなるを譽められたりとも益なし。よき人は、かへりて謗り賤むべきわざにこそあれ。十二曰、我が里の親の方に私し、舅姑夫の方を次にすべからず。正月佳節などにも、まづ夫の方の客をつとめて、親の里には、次の日行きてまみゆべし。夫の方をすてて、佳節に我が親の里に行くべからず。しうと夫の免さざるに、父母兄弟の方に行くべからず。私に親の方へ贈物すべからず。又我が里のよき事をほこりて、譽め語るべからず。十三曰、下女を使ふに、心を用ふべし。いふかひなきものは、ならはし悪しくて、智惠なく、心かたましく、其うへ物いふことさがなし。

新字:身のかざりは外の事なれば、唯身に応じたる衣服をもちひて、あながちに飾りて外にかゞやかし、人にほこるべからず。愚なる俗人、又賤しき下部、賤の女などに、衣服のはなやかなるを誉められたりとも益なし。よき人は、かへりて謗り賤むべきわざにこそあれ。十二曰、我が里の親の方に私し、舅姑夫の方を次にすべからず。正月佳節などにも、まづ夫の方の客をつとめて、親の里には、次の日行きてまみゆべし。夫の方をすてて、佳節に我が親の里に行くべからず。しうと夫の免さざるに、父母兄弟の方に行くべからず。私に親の方へ贈物すべからず。又我が里のよき事をほこりて、誉め語るべからず。十三曰、下女を使ふに、心を用ふべし。いふかひなきものは、ならはし悪しくて、智恵なく、心かたましく、其うへ物いふことさがなし。

書き下し

身のかざりは外の事なれば、唯身に応じたる衣服をもちひて、あながちに飾りて外にかがやかし、人にほこるべからず。愚なる俗人、又賤しき下部、賤の女などに、衣服のはなやかなるを誉められたりとも益なし。よき人は、かへりて謗り賤むべきわざにこそあれ。十二曰、我が里の親の方に私し、舅姑夫の方を次にすべからず。正月佳節などにも、まづ夫の方の客をつとめて、親の里には、次の日行きてまみゆべし。夫の方をすてて、佳節に我が親の里に行くべからず。しうと夫の免さざるに、父母兄弟の方に行くべからず。私に親の方へ贈物すべからず。又我が里のよき事をほこりて、誉め語るべからず。十三曰、下女を使ふに、心を用ふべし。いふかひなきものは、ならはし悪しくて、智恵なく、心かたましく、其うへ物いふことさがなし。

現代語訳

身の飾りは外のことですから、ただ身に応じた衣服を用いて、むやみに飾って外に輝かせ、人にほこってはなりません。愚かな俗人や、卑しい召使い、身分の低い女などに、衣服の華やかなのをほめられても益はありません。よい人はかえって謗り卑しむことなのです。十二に言う。自分の里の親の方をひいきして、舅・姑・夫の方を後回しにしてはなりません。正月や節句などにも、まず夫の方の客をもてなして、親の里には次の日に行って会いなさい。夫の方を捨てて、節句に自分の親の里に行ってはなりません。舅や夫の許さないのに、父母兄弟の方に行ってはなりません。ひそかに親の方へ贈り物をしてはなりません。また自分の里のよいことをほこって、ほめて語ってはなりません。十三に言う。下女を使うのに心を用いなさい。言っても仕方のないような者は、しつけが悪くて知恵がなく、心がねじけていて、そのうえ口が悪いのです。

解説

十三か条の十二と十三の始まりで、実家との付き合い方と下女の使い方を述べた条です。正月や節句にはまず夫の家の客をもてなし、実家へは翌日行け、勝手に実家へ贈り物をするな、実家を自慢するな、と嫁ぎ先を優先するよう求めます。婚家中心の家制度をよく示す部分です。衣服をほめてくれるのは愚かな人で、よい人はかえって卑しむという指摘は、人の評価の基準を考えさせます。実家と婚家の間での気配りは、形を変えて今の家族にも残る悩みです。

この章句が説くこと

家実家礼女大学女子教育

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