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和俗童子訓 / 巻之五・教女子法

六曰、言を愼みて多くすべからず。假にも人をそしり、僞を言ふべからず。人の謗を聞くことあらば、心にをさめて、人に傳へ語るべからず。謗を言ひ傳ふるより、父子、兄弟、夫婦、一家の間も不和になり、家内治まらず。七曰、女は常に心遣ひして、其身をかたく愼み守るべし。夙におき夜半にいね、晝はいねずして家事に心を用ひ、怠なく勤めて、家を治め、織り、縫ひ、うみ、つむぎ怠るべからず。又酒茶など多く好みて、癖とすべからず。淫聲を聞くことを好みて、淫樂を習ふべからず。是女子の心をとらかすもの也。たはぶれ遊を好むべからず。宮寺などすべて人の多く遊ぶ所に、四十歲より内は、妄に行くべからず。八曰、巫覡などのわざにまよひて、神佛を穢し近づき、みだりに祈り諂ふべからず。

新字:六曰、言を慎みて多くすべからず。仮にも人をそしり、偽を言ふべからず。人の謗を聞くことあらば、心にをさめて、人に伝へ語るべからず。謗を言ひ伝ふるより、父子、兄弟、夫婦、一家の間も不和になり、家内治まらず。七曰、女は常に心遣ひして、其身をかたく慎み守るべし。夙におき夜半にいね、昼はいねずして家事に心を用ひ、怠なく勤めて、家を治め、織り、縫ひ、うみ、つむぎ怠るべからず。又酒茶など多く好みて、癖とすべからず。淫声を聞くことを好みて、淫楽を習ふべからず。是女子の心をとらかすもの也。たはぶれ遊を好むべからず。宮寺などすべて人の多く遊ぶ所に、四十歳より内は、妄に行くべからず。八曰、巫覡などのわざにまよひて、神仏を穢し近づき、みだりに祈り諂ふべからず。

書き下し

六曰、言を慎みて多くすべからず。仮にも人をそしり、偽を言ふべからず。人の謗を聞くことあらば、心にをさめて、人に伝へ語るべからず。謗を言ひ伝ふるより、父子、兄弟、夫婦、一家の間も不和になり、家内治まらず。七曰、女は常に心遣ひして、其身をかたく慎み守るべし。夙におき夜半にいね、昼はいねずして家事に心を用ひ、怠なく勤めて、家を治め、織り、縫ひ、うみ、つむぎ怠るべからず。又酒茶など多く好みて、癖とすべからず。淫声を聞くことを好みて、淫楽を習ふべからず。是女子の心をとらかすもの也。たはぶれ遊を好むべからず。宮寺などすべて人の多く遊ぶ所に、四十歳より内は、妄に行くべからず。八曰、巫覡などのわざにまよひて、神仏を穢し近づき、みだりに祈り諂ふべからず。

現代語訳

六に言う。言葉を慎んで多くしてはなりません。かりそめにも人を謗り、偽りを言ってはなりません。人の謗りを聞くことがあっても、心に収めて、人に伝え語ってはなりません。謗りを言い伝えることから、父子・兄弟・夫婦・一家の間も不和になり、家の内が治まりません。七に言う。女性はいつも気を配って、その身を固く慎み守りなさい。朝早く起き夜遅く寝て、昼は寝ずに家事に心を用い、怠りなく勤めて家を治め、機を織り、縫い、糸を紡ぐことを怠ってはなりません。また酒や茶などを多く好んで癖にしてはなりません。淫らな音楽を聞くことを好んで、淫らな音曲を習ってはなりません。これは女子の心をとろかすものです。戯れ遊びを好んではなりません。宮や寺など、すべて人が多く遊ぶ所には、四十歳までは、むやみに行ってはなりません。八に言う。巫女や祈祷師などのわざに迷って、神仏を汚し近づき、むやみに祈りへつらってはなりません。

解説

十三か条の六から八を述べた条です。言葉を慎み、人の悪口を聞いても伝えるな、それが家族の不和の元だという教えは、うわさ話の害を説くもので今も通じます。七では早起きと勤勉、酒茶や遊興を好むな、人の集まる宮寺へ四十歳まではむやみに行くな、と女性の行動を厳しく制限しています。八では巫女や祈祷師に迷うなと戒め、巻之二の札守祈祷の戒めと同じ合理的な姿勢を示しています。悪口を広めないことと、根拠のない信心に迷わないことは、今も大切な心得です。

この章句が説くこと

言葉悪口勤勉迷信女子教育

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