和俗童子訓 / 巻之三・読書法
一小兒の書を讀むに、文字を多く覺えざれば、書を讀むに力なくして、學問進まず。又文字を知らざれば、すべて世間の事に通ぜず。藝など習ふにも、文字を知らざれば、其理にくらくして、ひが事多し。文字を知れらば、又其文義を心に懸けて通し知るべし。
新字:一小児の書を読むに、文字を多く覚えざれば、書を読むに力なくして、学問進まず。又文字を知らざれば、すべて世間の事に通ぜず。芸など習ふにも、文字を知らざれば、其理にくらくして、ひが事多し。文字を知れらば、又其文義を心に懸けて通し知るべし。
書き下し
一小児の書を読むに、文字を多く覚えざれば、書を読むに力なくして、学問進まず。又文字を知らざれば、すべて世間の事に通ぜず。芸など習ふにも、文字を知らざれば、其理にくらくして、ひが事多し。文字を知れらば、又其文義を心に懸けて通し知るべし。
現代語訳
子どもが書物を読むのに、文字を多く覚えなければ、書物を読む力がなくて学問が進みません。また文字を知らなければ、すべて世間のことに通じません。技芸などを習うにも、文字を知らなければその道理に暗く、間違いが多くなります。文字を知ったら、またその文の意味を心にかけて、通して知りなさい。
解説
読書法を締めくくる短い条で、文字を多く覚えることの大切さを述べています。文字を知らなければ書物を読む力がなく学問が進まない、世間のことにも通じない、技芸の道理にも暗くなる、と益軒は言います。そして文字を知ったら文の意味まで通して知れ、と読解へ進むよう促します。漢字の知識が学問と実務の土台だった時代の実感ですが、語彙の量が読解力や学力の基礎になるという考えは、今の国語教育や外国語学習にもそのまま当てはまります。
この章句が説くこと
文字読書学問語彙教育
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