導師導古典を学びたいすべての人に

和俗童子訓 / 巻之三・読書法

一四書を、每日一百字づつ百遍熟誦して、そらに讀みそらに書くべし。字の置き所、助字の有り所、ありしに違はず覺え讀むべし。是程の事、老らくの年といへども、勤めてなし易し。況や少年の人をや。四書をそらんぜば、其力にて、義理に通じ、諸の書を讀むこと易からん。又文章のつゞき、文字の置きやう、助字の有り所をも、能く覺えて知れらば、文章を書くにもまた助となりなん。斯の如く、四書を習ひ覺えば、幼學のつとめ、過半は旣に成れりと云ふべし。論語は一萬二千七百字、孟子は三萬四千六百八十五字、大學は經傳を合せて千八百五十一字、中庸は三千五百六十八字あり。四書すべて五萬二千八百四字なり。一日に百字を讀んで、そらに覺ゆれば、日數五百廿八日に終る。

新字:一四書を、毎日一百字づつ百遍熟誦して、そらに読みそらに書くべし。字の置き所、助字の有り所、ありしに違はず覚え読むべし。是程の事、老らくの年といへども、勤めてなし易し。況や少年の人をや。四書をそらんぜば、其力にて、義理に通じ、諸の書を読むこと易からん。又文章のつゞき、文字の置きやう、助字の有り所をも、能く覚えて知れらば、文章を書くにもまた助となりなん。斯の如く、四書を習ひ覚えば、幼学のつとめ、過半は既に成れりと云ふべし。論語は一万二千七百字、孟子は三万四千六百八十五字、大学は経伝を合せて千八百五十一字、中庸は三千五百六十八字あり。四書すべて五万二千八百四字なり。一日に百字を読んで、そらに覚ゆれば、日数五百廿八日に終る。

書き下し

一四書を、毎日一百字づつ百遍熟誦して、そらに読みそらに書くべし。字の置き所、助字の有り所、ありしに違はず覚え読むべし。是程の事、老らくの年といへども、勤めてなし易し。況や少年の人をや。四書をそらんぜば、其力にて、義理に通じ、諸の書を読むこと易からん。又文章のつづき、文字の置きやう、助字の有り所をも、能く覚えて知れらば、文章を書くにもまた助となりなん。斯の如く、四書を習ひ覚えば、幼学のつとめ、過半は既に成れりと云ふべし。論語は一万二千七百字、孟子は三万四千六百八十五字、大学は経伝を合せて千八百五十一字、中庸は三千五百六十八字あり。四書すべて五万二千八百四字なり。一日に百字を読んで、そらに覚ゆれば、日数五百廿八日に終る。

現代語訳

四書を、毎日百字ずつ百回熟読暗唱して、何も見ずに読み、何も見ずに書けるようにしなさい。字の置き所や助字のある所も、原文と違わずに覚えて読みなさい。これくらいのことは、老いた年でも勤めればたやすくできます。まして少年ならなおさらです。四書を暗記すれば、その力で義理に通じ、さまざまな書物を読むことも易しくなるでしょう。また文章の続き具合、文字の置き方、助字のある所も、よく覚えて知っていれば、文章を書くのにもまた助けとなるでしょう。このように四書を習い覚えれば、幼い時の学問の勤めは、過半はすでに成ったと言うべきです。論語は一万二千七百字、孟子は三万四千六百八十五字、大学は経と伝を合わせて千八百五十一字、中庸は三千五百六十八字あります。四書すべてで五万二千八百四字です。一日に百字を読んで暗記すれば、日数五百二十八日で終わります。

解説

四書を一日百字ずつ百回読んで暗記するという、具体的な学習計画を示した条です。論語・孟子・大学・中庸の字数を挙げ、合計五万二千八百四字を一日百字で割れば五百二十八日で終わる、と計算してみせるところに、算数を重んじた益軒らしさが出ています。四書を暗記すれば義理に通じ、他の書も読みやすくなり、文章を書く助けにもなると言います。大きな目標を毎日の小さな量に分けて計算し、見通しを持って取り組む方法は、今の学習計画や仕事の進め方にもそのまま応用できます。

この章句が説くこと

四書暗唱計画学問習慣

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る