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大和俗訓 / 巻之七・躬行下

一今日は明日の計をなし、今月は來月の計をなし、今年は來年の計をなし、平生は一生の計をなし、生前に早く死後の計をなすべし。おこたるべからず。一明日行ふべき事あらば、必今日より其事を思ひはかりて定むべし。明朝使をつかはし、文をおくらんと思はゞ、今夕より書きとゝのへて、使を命ずべし。其日の事を其日はじめて思案しいとなめば、はかゆかず、事にのぞみて、或はさまたげ出來、まぎらはしくて過多し。

新字:一今日は明日の計をなし、今月は来月の計をなし、今年は来年の計をなし、平生は一生の計をなし、生前に早く死後の計をなすべし。おこたるべからず。一明日行ふべき事あらば、必今日より其事を思ひはかりて定むべし。明朝使をつかはし、文をおくらんと思はゞ、今夕より書きとゝのへて、使を命ずべし。其日の事を其日はじめて思案しいとなめば、はかゆかず、事にのぞみて、或はさまたげ出来、まぎらはしくて過多し。

書き下し

一今日は明日の計をなし、今月は来月の計をなし、今年は来年の計をなし、平生は一生の計をなし、生前に早く死後の計をなすべし。おこたるべからず。一明日行ふべき事あらば、必今日より其事を思ひはかりて定むべし。明朝使をつかはし、文をおくらんと思はば、今夕より書きととのへて、使を命ずべし。其日の事を其日はじめて思案しいとなめば、はかゆかず、事にのぞみて、或はさまたげ出来、まぎらはしくて過多し。

現代語訳

今日は明日の計画をし、今月は来月の計画をし、今年は来年の計画をし、ふだんは一生の計画をし、生前に早く死後の計画をしなさい。怠ってはいけません。明日行うべきことがあれば、必ず今日からそのことを思いはかって定めなさい。明朝使いを遣わし、手紙を送ろうと思うなら、今夕から書き整えて、使いを命じておきなさい。その日のことをその日に初めて思案して営めば、はかどらず、事に臨んで、あるいは妨げが出てきて、紛らわしくて過ちが多くなります。

解説

計画は一歩先を見越して立てよという、具体的な時間管理の教えです。今日は明日の、今月は来月の、今年は来年の計画を立て、さらに生きているうちに死後のことまで考えておけというのです。明朝出す手紙は前の晩に書いておけという例は、今なら翌日の会議資料を前日に準備しておくことにあたるでしょう。その日になって慌てると予期せぬ邪魔が入って失敗する、という指摘は誰もが経験しているはずです。終活という言葉がある今、死後の計まで説く益軒の周到さにも感心させられます。

この章句が説くこと

計画準備時間備え勤勉

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