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和俗童子訓 / 巻之三・読書法

一每日一の善事を知り、一の善事を行ひて、小を積みて止まざれば、必大に至る。日々の功を怠り缺くべからず。初は、每日日記故事、蒙求の故事などの嘉言善行を、一兩事づつ記すべし。又每日數目ある事を二三條記すべし。一日に一事記すれば、一年には三百六十條なり。詩歌をよみ覺ゆるも此法なり。一日に一首覺ゆれば、一年に三百六十首なり。每日誦して、日々怠るべからず。久しきを積みては其功大なり。

新字:一毎日一の善事を知り、一の善事を行ひて、小を積みて止まざれば、必大に至る。日々の功を怠り欠くべからず。初は、毎日日記故事、蒙求の故事などの嘉言善行を、一両事づつ記すべし。又毎日数目ある事を二三条記すべし。一日に一事記すれば、一年には三百六十条なり。詩歌をよみ覚ゆるも此法なり。一日に一首覚ゆれば、一年に三百六十首なり。毎日誦して、日々怠るべからず。久しきを積みては其功大なり。

書き下し

一毎日一の善事を知り、一の善事を行ひて、小を積みて止まざれば、必大に至る。日々の功を怠り欠くべからず。初は、毎日日記故事、蒙求の故事などの嘉言善行を、一両事づつ記すべし。又毎日数目ある事を二三条記すべし。一日に一事記すれば、一年には三百六十条なり。詩歌をよみ覚ゆるも此法なり。一日に一首覚ゆれば、一年に三百六十首なり。毎日誦して、日々怠るべからず。久しきを積みては其功大なり。

現代語訳

毎日一つの善い事を知り、一つの善い事を行い、小さいことを積み重ねてやめなければ、必ず大きなことに至ります。日々の努力を怠り欠かしてはなりません。初めは、毎日、日記故事や蒙求の故事などのよい言葉やよい行いを、一つ二つずつ書き記しなさい。また毎日、数の入った事柄(名数)を二、三条書き記しなさい。一日に一つ記せば、一年には三百六十条になります。詩歌を読み覚えるのもこの方法です。一日に一首覚えれば、一年に三百六十首になります。毎日唱えて、日々怠ってはなりません。長く積み重ねれば、その功は大きくなります。

解説

一日一つの積み重ねの大切さを説いた条です。毎日一つの善を知り行い、日記故事や蒙求から嘉言善行を一つ二つ書き写し、名数を二三条記し、詩歌を一首覚えよ、一日一つでも一年で三百六十になる、と益軒は言います。当時の暦に合わせて一年を三百六十日で数えているのも興味深い点です。日記故事は中国の子ども向けの故事集です。小さな習慣を毎日続けることで大きな力になるという考えは、日記や読書記録、語学の単語学習など、今の自己成長の習慣づくりにそのまま生かせます。

この章句が説くこと

習慣善積み重ね記録学問

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