和俗童子訓 / 巻之三・読書法
一小兒の文學の敎は、事しげくすべからず、事しげく、文句多くしてむつかしければ、學問を苦みて、うとんじ嫌ふ心出來る事あり。故に簡要をえらびて、事少なく敎ふべし。少しづつ敎へ、よみ習ふ事を嫌はずして、すき好むやうに敎ふべし。むつかしく辛勞にして、其氣を屈せしむべからず。日々のつとめの課程を、よきほどに短く定めて、日々に怠りなく進むべし。凡小兒を敎ふるには、必師あるべし。もし外の師なくば、其父兄自ら日々の課程を定めて、讀ましむべし。父兄辛勞せざれば、敎行はれず。一初て書を讀むには、まづ文句短くして、讀み易く覺え易き事を敎ふべし。初より文句長き事を敎ふれば、退屈し易し。易きを先にし、難きを後にすべし。
新字:一小児の文学の教は、事しげくすべからず、事しげく、文句多くしてむつかしければ、学問を苦みて、うとんじ嫌ふ心出来る事あり。故に簡要をえらびて、事少なく教ふべし。少しづつ教へ、よみ習ふ事を嫌はずして、すき好むやうに教ふべし。むつかしく辛労にして、其気を屈せしむべからず。日々のつとめの課程を、よきほどに短く定めて、日々に怠りなく進むべし。凡小児を教ふるには、必師あるべし。もし外の師なくば、其父兄自ら日々の課程を定めて、読ましむべし。父兄辛労せざれば、教行はれず。一初て書を読むには、まづ文句短くして、読み易く覚え易き事を教ふべし。初より文句長き事を教ふれば、退屈し易し。易きを先にし、難きを後にすべし。
書き下し
一小児の文学の教は、事しげくすべからず、事しげく、文句多くしてむつかしければ、学問を苦みて、うとんじ嫌ふ心出来る事あり。故に簡要をえらびて、事少なく教ふべし。少しづつ教へ、よみ習ふ事を嫌はずして、すき好むやうに教ふべし。むつかしく辛労にして、其気を屈せしむべからず。日々のつとめの課程を、よきほどに短く定めて、日々に怠りなく進むべし。凡小児を教ふるには、必師あるべし。もし外の師なくば、其父兄自ら日々の課程を定めて、読ましむべし。父兄辛労せざれば、教行はれず。一初て書を読むには、まづ文句短くして、読み易く覚え易き事を教ふべし。初より文句長き事を教ふれば、退屈し易し。易きを先にし、難きを後にすべし。
現代語訳
子どもへの学問の教えは、事を多くしてはなりません。事が多く、文句が多くて難しければ、学問を苦にして、うとみ嫌う心が出てくることがあります。ですから簡単で大切なことを選んで、少なく教えなさい。少しずつ教えて、読み習うことを嫌がらず、好むように教えなさい。難しく辛いものにして、その気をくじいてはなりません。毎日の勤めの課程をほどよく短く定めて、日々怠りなく進みなさい。およそ子どもを教えるには、必ず師がいなければなりません。もし外に師がいなければ、その父兄が自分で毎日の課程を定めて読ませなさい。父兄が苦労しなければ、教えは行われません。初めて書物を読むには、まず文句が短くて、読みやすく覚えやすいことを教えなさい。初めから文句の長いものを教えれば、退屈しやすいのです。易しいものを先にし、難しいものを後にしなさい。
解説
この章句が説くこと
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