和俗童子訓 / 巻之三・随年教法
子となり弟となる法を知らず、無禮にして不孝不弟となる。是父母おろかにして、子の惡をすゝめなせるなり。漸く年を重ねば、弟を愛し、臣僕を恤み、師を尊び、友に交る道、賓客に對して、坐立進退、ことばづかひの法、各其品に隨ひて、いつくしみ敬ふ道を敎へ知らしむべし。是よりやうやく孝弟忠信禮義廉恥の道を敎へ行はしむ。人の財物を求め、飮食を貪りて、賤しげなる心を戒め、恥を知るべき事を敎ふべし。七歲より前は、猶幼ければ、早く寢ねおそく起き、食するに時を定めず、大やう其心に任すべし。禮法を以て、一々に責め難し。八歲より、門戶の出入し、又は座席につき飮食するに、必年長ぜる人におくれて、先だつべからず、はじめて、へり下り讓る事を敎ふべし。小兒の心任せにせず、氣隨なる事を堅くいましむべし。是肝要の事なり。
新字:子となり弟となる法を知らず、無礼にして不孝不弟となる。是父母おろかにして、子の悪をすゝめなせるなり。漸く年を重ねば、弟を愛し、臣僕を恤み、師を尊び、友に交る道、賓客に対して、坐立進退、ことばづかひの法、各其品に随ひて、いつくしみ敬ふ道を教へ知らしむべし。是よりやうやく孝弟忠信礼義廉恥の道を教へ行はしむ。人の財物を求め、飲食を貪りて、賤しげなる心を戒め、恥を知るべき事を教ふべし。七歳より前は、猶幼ければ、早く寝ねおそく起き、食するに時を定めず、大やう其心に任すべし。礼法を以て、一々に責め難し。八歳より、門戸の出入し、又は座席につき飲食するに、必年長ぜる人におくれて、先だつべからず、はじめて、へり下り譲る事を教ふべし。小児の心任せにせず、気随なる事を堅くいましむべし。是肝要の事なり。
書き下し
子となり弟となる法を知らず、無礼にして不孝不弟となる。是父母おろかにして、子の悪をすすめなせるなり。漸く年を重ねば、弟を愛し、臣僕を恤み、師を尊び、友に交る道、賓客に対して、坐立進退、ことばづかひの法、各其品に随ひて、いつくしみ敬ふ道を教へ知らしむべし。是よりやうやく孝弟忠信礼義廉恥の道を教へ行はしむ。人の財物を求め、飲食を貪りて、賤しげなる心を戒め、恥を知るべき事を教ふべし。七歳より前は、猶幼ければ、早く寝ねおそく起き、食するに時を定めず、大やう其心に任すべし。礼法を以て、一々に責め難し。八歳より、門戸の出入し、又は座席につき飲食するに、必年長ぜる人におくれて、先だつべからず、はじめて、へり下り譲る事を教ふべし。小児の心任せにせず、気随なる事を堅くいましむべし。是肝要の事なり。
現代語訳
子となり弟となる法を知らず、無礼で不孝・不弟となります。これは父母が愚かで、子の悪を勧めてしまったのです。だんだん年を重ねたら、弟を愛し、家来や召使いを憐れみ、師を尊び、友と交わる道、客に対しての座り方・立ち方・進退、言葉づかいの作法を、それぞれの身分に応じて、慈しみ敬う道として教え知らせなさい。これからしだいに孝・弟・忠・信・礼・義・廉・恥の道を教えて行わせます。人の財物を欲しがり、飲食を貪るような卑しい心を戒め、恥を知るべきことを教えなさい。七歳より前はまだ幼いので、早く寝て遅く起き、食事の時間も定めず、おおらかにその心に任せなさい。礼法で一つひとつ責めることは難しいのです。八歳からは、門や戸口を出入りする時や、座敷について飲食する時に、必ず年長の人より後にして、先に立ってはならないことを教え、初めてへりくだり譲ることを教えなさい。子どもの心任せにせず、気ままなことを固く戒めなさい。これが肝要なことです。
解説
この章句が説くこと
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人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
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