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和俗童子訓 / 巻之三・随年教法

一八歲、古人小學に入りし歲なり。はじめて幼者に相應の禮義を敎へ、無禮を戒むべし。此ころより、起居振舞の禮、尊長の前に出でて仕ふると退くと、尊長に對し、客に對し、物を言ひ、いらへ答ふる法、饌具を尊長の前にすゑ、又取りて退く法、盃を出し銚子を取りて、酒をすゝめ肴を出す法、茶をすゝむる禮をも習はしむべし。又みづから食する法、尊長の賜はる盃と肴をいたゞき、客の盃を頂き飮む法、尊者に對し、拜禮をなす法を敎へ知らしむべし。又茶禮をも敎ふべし。

新字:一八歳、古人小学に入りし歳なり。はじめて幼者に相応の礼義を教へ、無礼を戒むべし。此ころより、起居振舞の礼、尊長の前に出でて仕ふると退くと、尊長に対し、客に対し、物を言ひ、いらへ答ふる法、饌具を尊長の前にすゑ、又取りて退く法、盃を出し銚子を取りて、酒をすゝめ肴を出す法、茶をすゝむる礼をも習はしむべし。又みづから食する法、尊長の賜はる盃と肴をいたゞき、客の盃を頂き飲む法、尊者に対し、拝礼をなす法を教へ知らしむべし。又茶礼をも教ふべし。

書き下し

一八歳、古人小学に入りし歳なり。はじめて幼者に相応の礼義を教へ、無礼を戒むべし。此ころより、起居振舞の礼、尊長の前に出でて仕ふると退くと、尊長に対し、客に対し、物を言ひ、いらへ答ふる法、饌具を尊長の前にすゑ、又取りて退く法、盃を出し銚子を取りて、酒をすすめ肴を出す法、茶をすすむる礼をも習はしむべし。又みづから食する法、尊長の賜はる盃と肴をいただき、客の盃を頂き飲む法、尊者に対し、拝礼をなす法を教へ知らしむべし。又茶礼をも教ふべし。

現代語訳

八歳は、昔の人が小学に入った年です。初めて幼い者にふさわしい礼儀を教え、無礼を戒めなさい。この頃から、立ち居振る舞いの礼、目上の前に出て仕えることと退くこと、目上に対し客に対して、ものを言い、返事をし答える作法、膳を目上の前に据え、また下げて退く作法、盃を出し銚子を取って酒を勧め肴を出す作法、茶を勧める礼も習わせなさい。また自分で食事をする作法、目上から賜る盃と肴をいただき、客の盃をいただいて飲む作法、尊い人に対して拝礼をする作法を教えて知らせなさい。また茶の礼も教えなさい。

解説

八歳を「古人小学に入りし歳」として、具体的な礼儀作法を教える時期とした条です。朱子の大学章句序に、八歳で小学に入り灑掃応対進退の節を学ぶとあり、益軒はそれを日本の暮らしに合わせて、膳の上げ下げ、酒や茶の勧め方、盃のいただき方、拝礼と、家庭や客の前で必要な作法に置き換えています。形を身につけることで心を整えるという儒学の考えが、実際の生活の作法として示されている点が特色です。子どもにお茶を出すことや客へのあいさつを教える意味を考えさせる内容です。

この章句が説くこと

礼作法小学教育年齢

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