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和俗童子訓 / 巻之一・総論上

一小兒の時より、心もちやはらかに、人をいつくしみ、情ありて、人を苦めあなどらず、常に善を好み、人を愛し、仁を行ふを以て、志とすべし。人我が心にかなはざるとて、顏色をはげしくし、詞をあらくして、人を怒り罵るべからず。小兒もし不仁にして、人を苦め侮りて情なくば、早くいましむべし。人に對して溫和なれども、其身正しければ、幼きとて人侮らず。

新字:一小児の時より、心もちやはらかに、人をいつくしみ、情ありて、人を苦めあなどらず、常に善を好み、人を愛し、仁を行ふを以て、志とすべし。人我が心にかなはざるとて、顔色をはげしくし、詞をあらくして、人を怒り罵るべからず。小児もし不仁にして、人を苦め侮りて情なくば、早くいましむべし。人に対して温和なれども、其身正しければ、幼きとて人侮らず。

書き下し

一小児の時より、心もちやはらかに、人をいつくしみ、情ありて、人を苦めあなどらず、常に善を好み、人を愛し、仁を行ふを以て、志とすべし。人我が心にかなはざるとて、顔色をはげしくし、詞をあらくして、人を怒り罵るべからず。小児もし不仁にして、人を苦め侮りて情なくば、早くいましむべし。人に対して温和なれども、其身正しければ、幼きとて人侮らず。

現代語訳

子どもの時から、心持ちを柔らかにし、人を慈しみ、情けがあって、人を苦しめたり侮ったりせず、いつも善を好み、人を愛し、仁を行うことを志としなさい。人が自分の心にかなわないからといって、顔色を激しくし、言葉を荒くして、人を怒り罵ってはなりません。子どもがもし不仁で、人を苦しめ侮って情けがなければ、早く戒めなさい。人に対して温和であっても、その身が正しければ、幼いからといって人は侮りません。

解説

子どもに仁、つまり人を慈しむ心を志とさせよと説く短い条です。気に入らないことがあっても顔色や言葉を荒げて人を罵ってはならない、という教えは、感情の扱い方の指導と言えます。最後の一文は大切で、温和であることは弱さではなく、身が正しければ幼くても侮られない、と益軒は言います。やさしさと毅然とした正しさは両立するという考えは、儒学の君子像の基本です。いじめの予防や、子どもに思いやりと自分を守る強さを両方教えたいときに、手がかりになる内容です。

この章句が説くこと

仁温和思いやり怒り子育て

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