素書 / 『素書』人事と策の五つの落とし穴
為人擇官者亂、失其所強者弱、決策于不仁者險、陰計外泄者敗、厚斂薄施者凋。
新字:為人択官者乱、失其所強者弱、決策于不仁者険、陰計外泄者敗、厚斂薄施者凋。
書き下し
人の為に官を択ぶ者は乱れ、其の強き所を失う者は弱く、策を不仁に決する者は険く、陰計外に泄るる者は敗れ、厚く斂めて薄く施す者は凋む。
現代語訳
人のために官職を選んで与える者は乱れを招き、自分の強みを失う者は弱くなり、計略を不仁の者に決めさせる者は危うくなり、内密の計画が外に漏れる者は敗れ、厚く取り立てて薄くしか施さない者は衰えます。
解説
前の長い列挙に続く五つの失敗です。人のためにと情実で官職を選ぶ人事の乱れ、自分の強みを手放すこと、重要な方針を人の道を外れた者に委ねる危うさ、機密の漏洩、搾り取るだけで還元しない経営が挙がります。短い一節ですが、人事、強みの維持、意思決定者の人選、情報管理、利益の還元と、組織運営の主要な領域が網羅されています。特に、強みを失うことを失敗に数える視点は、他社の真似や多角化に傾きがちな局面への戒めとして読めます。社内の機密管理も、忘れがちな基本として点検できます。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
情実人事強み不仁機密厚斂薄施還元
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