素書 / 『素書』心得の最上六つ
夫志心篤行之術、長莫長于博謀、安莫安于忍辱、先莫先于修德、樂莫樂于好善、神莫神于至誠;明莫明于體物;
新字:夫志心篤行之術、長莫長于博謀、安莫安于忍辱、先莫先于修徳、楽莫楽于好善、神莫神于至誠;明莫明于体物;
書き下し
夫れ志心篤行の術は、長きは博く謀るより長きは莫く、安きは辱を忍ぶより安きは莫く、先なるは徳を修むるより先なるは莫く、楽しきは善を好むより楽しきは莫く、神なるは至誠より神なるは莫し。明らかなるは物を体するより明らかなるは莫し。
現代語訳
志を持ち、行いを篤くするための術として、長所として最も優れているのは広く人と謀ること、安らぎとして最も勝るのは恥辱を耐え忍ぶこと、先んじて行うべき最優先は徳を修めること、楽しみとして最上なのは善を好むこと、霊妙さとして最高なのは真心を尽くすことです。さらに、明るさとして最上なのは、物事を身をもって体得することです。
解説
「〜より〜は莫し」という型で、最上のものを挙げていく箴言群の始まりです。広く謀る、辱を忍ぶ、徳を修める、善を好む、至誠、物事を体得する、の六つが挙がります。広く人と相談して決めることを最大の長所とし、恥辱を耐えることを最大の安定とする点に、大きな事業を動かす人への実践的な見方があります。耐えることを美徳として強要する話ではなく、一時の感情で大局を失わないための構えとして読めます。現場では、衝動的な反応を抑え、周囲と相談してから動く習慣が、結局いちばん安全で早いということです。

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本の中身を見るこの章句が説くこと
博謀忍辱修徳好善至誠体物
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