朱子家訓 / 狎暱惡少
狎暱惡少,久必受其累; 屈志老成,急則可相依。
新字:狎暱悪少,久必受其累; 屈志老成,急則可相依。
書き下し
悪少に狎暱すれば、久しくして必ず其の累を受く。 老成に志を屈すれば、急なるとき則ち相い依るべし。
現代語訳
品行の悪い若者と馴れ親しんでいれば、長い間にはきっとその巻き添えを受けます。 経験を積んだ思慮深い年長者に対して、へりくだって教えを受けていれば、いざ急なときに頼りにできます。
解説
付き合う相手が、のちの自分を決めるという教えです。「悪少」は素行のよくない若者、「老成」は経験があって思慮の深い人を指します。気楽な相手との付き合いは心地よい反面、気づかぬうちに巻き込まれる恐れがあります。対して年長の賢者には、素直に頭を下げて学ぶことで、困ったときの支えが得られます。「志を屈す」とは、自分の気位を抑えてへりくだることです。会社でも、居心地のよい仲間内だけで固まるより、厳しくても経験豊かな先輩や顧問に教えを請う姿勢が、危機のときに生きてきます。
この章句が説くこと
悪少狎暱累老成屈志交友
関連する章句
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『初学訓』巻之四一友とする人は、尤も択ぶべし。智ありて、わが悪しきを正し、善きをすすむる忠直なる頼しき人あらば、親みて友とすべし。直ならず柔かにして、わが心にかなへる人は、益なし。一わが子弟など、年わかき者の友だちの交り、尤もはやく択ぶべし。友なふ人にうつり易きこと、古人、麪に油の染み易きに譬ふ。わかき人の善悪は、皆その友による。公儀の法をおそれず、親の命をきかず、酒色と淫楽博奕を好み、我身の恥を知らず、わが家の業をつとめざる者を、名づけて無頼の人といふ。年若き子弟を、無頼の人に一日も交らしむべからず。必ずひきそこなはれ、悪におち入り易し。一たびかかる悪友にならへば、善き方へ立ちかへり難し。恐るべし。
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『和俗童子訓』巻之一・総論上一子弟を教ふるには、まづ其交る所の友をえらぶを要とすべし。其子の生れつきよく、父の教正しくとも、放逸なる無頼の小人に交りて、それと往来すれば、必彼に引そこなはれて悪しくなる。況や其子の性質善からざるをや。古人の語に、年若き子弟、たとひ年を終るまで書を読まずとも、一日小人に交るべからずと云へり。一年書を読まざるは、甚悪しけれども、猶それよりも、一日小人に交るは悪しき事となり。是悪しき友の甚害ある事を云へり。人の善悪は、皆友によれり。古語に曰、麻の中なる蓬は、助けざれども自ら直し。又曰、朱に交れば赤し、墨に近づけば黒しといふ事、誠にしかり。若き時は、血気未だ定らず、見る事聞く事にうつり易きゆゑ、友あしければ、悪にうつる事早し。
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『酔古堂剣掃』集素・莊厲は親しみ難く日に規矩に進む褻狎は契り易く、日に放蕩に流る。 莊厲は親しみ難く、日に規矩に進む。
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言志四録・言志晩録 第百四十五条 妙年の嗣君は交友を択べ人主の賢不肖は、一国の理乱に係る。妙年にして嗣立する者は、最も宜しく交友を択ぶべし。其の視效する所或いは不良なれば、則ち後遂に邦家を誤る。懼るべきなり。
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『顔氏家訓』慕賢人年少に在りては、神情未だ定まらず。与に款狎する所は、熏漬陶染して、言笑挙動、学ぶに心無くして、潜かに移り暗かに化し、自然に之に似る。何ぞ況んや操履芸能の、較べて明らかにして習い易き者をや。是を以て善人と居るは、芝蘭の室に入るが如く、久しくして自ら芳し。悪人と居るは、鮑魚の肆に入るが如く、久しくして自ら臭し。墨子の糸を染むるに悲しむは、是れ之を謂うなり。君子は必ず交遊を慎む。孔子曰く、「己に如かざる者を友とする無かれ」と。顔・閔の徒、何ぞ世に得べけんや。但だ我に優らば、便ち之を貴ぶに足る。
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説苑・雜言孔子曰く、「其の子を知らずんば、其の友とする所を視よ。其の君を知らずんば、其の使う所を視よ」と。又曰く、「善人と居るは、蘭芷の室に入るが如し、久しくして其の香を聞かざるは、則ち之と化すればなり。悪人と居るは、鮑魚の肆に入るが如し、久しくして其の臭を聞かざるは、亦之と化すればなり。故に曰く、丹の蔵する所は赤く、烏の蔵する所は黒し。君子は蔵する所を慎む」と。
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