酔古堂剣掃 / 集素・莊厲は親しみ難く日に規矩に進む
褻狎易契,日流於放蕩;莊厲難親,日進於規矩。
新字:褻狎易契,日流於放蕩;荘厲難親,日進於規矩。
書き下し
褻狎は契り易く、日に放蕩に流る。 莊厲は親しみ難く、日に規矩に進む。
現代語訳
なれなれしい付き合いは打ち解けやすいのですが、日ごとに放縦に流れていきます。厳かで厳しい付き合いは親しみにくいのですが、日ごとに規律ある方へと進んでいきます。
解説
付き合い方の違いが、人をどちらへ導くかを対比した一則です。褻狎はなれなれしく狎れ合うこと、契は意気投合することです。放蕩は節度なく気ままに流れることです。荘厲は態度が厳かで厳しいこと、規矩は定規とコンパスで、手本となる規範を言います。気楽な仲間とは打ち解けやすい反面、互いに甘え合ってだらしなくなりがちです。厳しい人は近寄りがたいけれども、そばにいるうちに自然と行いが正されていきます。心地よさだけで付き合う相手を選ぶと、知らぬ間に流されてしまいます。少し緊張する相手をそばに置くことの価値を教えてくれます。
この章句が説くこと
交友修身規律処世放蕩
関連する章句
-
『韓非子』難三第三十八桓公能く管仲の功を用いて、鉤を射るの怨みを忘る。文公能く寺人の言を聴きて、祛を斬るの罪を棄つ。... 是れ臣讎するに、而も明燭すこと能わず、多く之に資を假すに、自ら以て賢と為して戒めず。
-
『韓非子』飭令第五十三刑を行いて、其の輕き者を重くすれば、輕き者至らず、重き者來たらず。此を刑を以て刑を去ると謂う。
-
『韓非子』十過第十小忠を行うは、則ち大忠の賊なり。
-
『韓非子』飾邪第十九昔者、舜、吏をして鴻水を決せしめしに、令に先だちて功有りて、舜之を殺す。禹、諸侯の君を會稽の上に朝し、防風の君後れて至りて、禹之を斬る。
-
『韓非子』六反第四十六故に法の道為る、前に苦しみて長く利あり。仁の道為る、偷楽しみて後窮す。聖人は其の輕重を權りて、す出づ。故に法の相忍ぶを用いて、仁人の相憐むを棄つるなり。
-
『韓非子』心度第五十四聖人の民を治むるは、本に度り、其の欲を從(ほしいまま)にせしめず、民を利するを期するのみ。故に其の之に刑を與うるは、民を悪む所以に非ず、愛の本なり。