尚書 / 君陳
爾其戒哉!
書き下し
爾其れ戒めよや。
現代語訳
汝は戒めよ。
解説
「爾其れ戒めよや」は、王が君陳に与えた短い戒めの言葉である。この前後では、民を治めるには徳の香りが大切であること、自らの誤りを他人に押しつけてはならないことなどが説かれており、その要所で王はこの一言を挟んで注意を促している。尚書の「命」の文では、任官する者に対して「敬せよ」「戒めよ」と繰り返し呼びかけることが多く、職を授けることが名誉であると同時に重い責任を負わせることでもあるという意識がうかがえる。任命や昇進の場で、祝いの言葉だけでなく、気を引き締める一言を添える。任せる側の誠実さとは、そういうものである。本篇は東晋期に伝わった古文尚書に属し、後世の編纂とみる説が有力である。
関連する章句
-
尚書・君陳上の命ずる所に違ひて、厥の好む攸に従ふ。爾克く典を敬し徳に在らば、時れ乃ち変ぜざる罔く、允に大猷に升らん。惟れ予一人、多福を膺受せん。其れ爾の休、終に永世に辞有らん。」
-
尚書・君陳王若(かく)のごとく曰く、「君陳よ、惟れ爾令徳にして孝恭なり。惟れ孝にして、兄弟に友に、克く有政に施す。汝に命じて茲の東郊を尹(をさ)めしむ、敬せよや。昔周公万民を師保し、民其の徳を懐く。往きて乃の司を慎み、茲に厥の常に率へ。懋めて周公の訓を昭らかにせば、惟れ民其れ乂まらん。我聞く、曰く、
-
尚書・君陳厥の修むるを簡び、亦其の或いは修めざるを簡べ。厥の良を進め、以て其の或いは良ならざるを率ゐよ。
-
尚書・君陳爾尚はくは時の周公の猷訓に式(のっと)り、惟れ日に孜孜として、敢へて逸豫すること無かれ。
-
尚書・君陳爾に嘉謀嘉猷有らば、則ち入りて爾の后に內に告げ、爾乃ち之に順いて外に行え。
-
尚書・君陳曰く、『斯の謀、斯の猷は、惟れ我が后の徳なり』と。嗚呼(ああ)!臣人咸く時の若くならば、惟れ良にして顕らかなるかな。」王曰く、「君陳よ、爾惟れ周公の丕訓を弘め、勢に依りて威を作すこと無く、法に倚りて以て削ること無かれ。寛にして制有り、従容として以て和せよ。殷民の辟に在るもの、予辟せよと曰ふとも、爾惟れ辟すること勿かれ。予宥せと曰ふとも、爾惟れ宥すこと勿かれ。惟れ厥の中にせよ。汝の政に若はず、汝の訓に化せざる有らば、辟して以て辟を止むるならば、乃ち辟せよ。奸宄に狃(な)れ、常を敗り俗を乱すものは、三つの細なるも宥さざれ。
人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。
本の中身を見る