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群書治要 / 『群書治要』蜀志・異論を歓迎する諸葛亮の教え

教與羣下曰:夫參署者、集衆思、廣忠益也。若遠小嫌、難相違覆、曠闕損矣。違覆而得中、猶弃弊蹻而獲珠玉也。然人心苦不能盡、唯徐元直處茲不惑、又董幼宰參署七年、事有不至、至於十反、來相啓吿、苟能慕元直之十一、幼宰之慇勤、有忠於國、則亮可少過矣。又曰:昔初交州平、屢聞得失、後交元直、勤見啓誨、前參事於幼宰、每言則盡、後從事於偉度、數有諫止、雖姿性鄙暗、不能悉納、然與此四子終始好合、亦足以明其不疑於直言也。

新字:教与羣下曰:夫参署者、集衆思、広忠益也。若遠小嫌、難相違覆、曠闕損矣。違覆而得中、猶弃弊蹻而獲珠玉也。然人心苦不能尽、唯徐元直処茲不惑、又董幼宰参署七年、事有不至、至於十反、来相啓吿、苟能慕元直之十一、幼宰之慇勤、有忠於国、則亮可少過矣。又曰:昔初交州平、屡聞得失、後交元直、勤見啓誨、前参事於幼宰、毎言則尽、後従事於偉度、数有諫止、雖姿性鄙暗、不能悉納、然与此四子終始好合、亦足以明其不疑於直言也。

書き下し

教えて羣下に与えて曰く、夫れ参署なる者は、衆思を集め、忠益を広むるなり。若し小嫌を遠ざけば、相い違覆すること難く、曠闕して損あらん。違覆して中を得れば、猶お弊蹻を棄てて珠玉を獲るがごときなり。然れども人心は尽くす能わざるに苦しむ。唯だ徐元直のみ茲に処して惑わず、又た董幼宰は参署すること七年、事に至らざる有れば、十たび反するに至るまで、来たりて相い啓告す。苟くも能く元直の十の一、幼宰の慇勤を慕い、国に忠なる有らば、則ち亮は少しく過ちあらん。又た曰く、昔初め州平に交わりて、屢しば得失を聞き、後に元直に交わりて、勤しく啓誨を見、前に幼宰に参事して、言う毎に則ち尽くし、後に偉度に従事して、数しば諫止有り。姿性鄙暗にして、悉くは納る能わずと雖も、然れども此の四子と終始好合せるは、亦た以て其の直言を疑わざるを明らかにするに足れり。

現代語訳

諸葛亮は部下たちに教え示して言いました。「そもそも参署(合議して署名する制度)とは、多くの考えを集め、忠実な益を広げるためのものである。もし些細な嫌疑を避けて遠慮し、互いに異議を述べ合うことが難しければ、欠けるところが生じて損失となる。異議を述べ合って適切な結論を得るのは、破れた草履を捨てて宝玉を手に入れるようなものである。しかし人の心は、すべてを出し尽くすことが難しいものだ。ただ徐元直だけは、ここで迷うことがなかった。また董幼宰は七年間参署し、事が行き届かないことがあれば、十度に及ぶまで繰り返して進言に来た。もし元直の十分の一でも、幼宰の懇切さでも見習い、国に忠実であってくれるなら、私の過ちは少なくなるだろう。」また言いました。「かつて州平と交わって、たびたび得失を聞き、のちに元直と交わって、熱心に教えを受け、以前には幼宰とともに事に当たって、言うたびに言葉を尽くしてくれ、のちに偉度に従って事に当たり、しばしば諫め止められた。私は生まれつき愚かで暗く、すべてを受け入れることはできなかったが、それでもこの四人と終始よい関係を保てたことは、私が直言を疑わなかったことを示すのに十分である。」

解説

諸葛亮が部下に出した教えの一節です。複数の者が協議して署名する仕組みの目的は、多くの考えを集めて益を広げることで、遠慮して反対を避ければ意味が失われると述べ、異議を経て妥当な結論を得るのは、破れ草履を捨てて宝玉を得るようなものだと説きます。さらに、直言を重ねてくれた友人や同僚の名を挙げ、すべてを採用できなかった自分でも彼らを疑わなかったと振り返ります。反対意見を煙たがらず、出しやすい場をつくる責任は上に立つ側にあるという視点を与えてくれます。
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この章句が説くこと

参署違覆直言集衆思諸葛亮異論

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