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初学訓 / 巻之四

一人の不善ありとも、怒りて强く惡み責むべからず。わが不善を知らば、强く責め治むべし。つよく人を責めざれば、人の恨なし。わが不善をつよく責むれば、わが身に益あり。己をゆるして人を責むるは、大なるひがごとなり。人の恨ありて、わが身に益なし。

新字:一人の不善ありとも、怒りて強く悪み責むべからず。わが不善を知らば、強く責め治むべし。つよく人を責めざれば、人の恨なし。わが不善をつよく責むれば、わが身に益あり。己をゆるして人を責むるは、大なるひがごとなり。人の恨ありて、わが身に益なし。

書き下し

一人の不善ありとも、怒りて強く悪み責むべからず。わが不善を知らば、強く責め治むべし。つよく人を責めざれば、人の恨なし。わが不善をつよく責むれば、わが身に益あり。己をゆるして人を責むるは、大なるひがごとなり。人の恨ありて、わが身に益なし。

現代語訳

人に不善があっても、怒って強く憎み責めてはいけません。自分の不善を知ったなら、強く責め治めるべきです。強く人を責めなければ、人の恨みはありません。自分の不善を強く責めれば、わが身に益があります。自分を許して人を責めるのは、大きな間違いです。人の恨みを買って、わが身に益はありません。

解説

人には寛く、自分には厳しくという教えを、損得の面からも説く条です。人を強く責めれば恨まれるだけで何も得られず、自分を強く責めれば成長という益がある、というのです。論語衛霊公篇の「躬自ら厚くして薄く人を責むれば、則ち怨に遠ざかる」と同じ考えです。職場でも家庭でも、人のミスを厳しく責め立てる人は周りから遠ざけられます。まず自分に改めるべき点がないかを考える習慣が、人間関係を穏やかにし、自分を伸ばすのです。

この章句が説くこと

自省寛容恨み論語責める

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