初学訓 / 巻之二
かくの如くすれば、理順にして事治る。もし、思案なく、五官を制せざれば、五官恣にして、見るまじき非禮を見、聽くまじき非禮をきゝ、言ふまじき非禮をいひ、動くまじき非禮をはたらく。是、心に思案なく、五官に任せて、心の官を失へるなり。たとへば、愚なる主人は、下人を制する力なく、かへつて下人より制せらるゝが如し。逆にして、家治りがたし。
新字:かくの如くすれば、理順にして事治る。もし、思案なく、五官を制せざれば、五官恣にして、見るまじき非礼を見、聴くまじき非礼をきゝ、言ふまじき非礼をいひ、動くまじき非礼をはたらく。是、心に思案なく、五官に任せて、心の官を失へるなり。たとへば、愚なる主人は、下人を制する力なく、かへつて下人より制せらるゝが如し。逆にして、家治りがたし。
書き下し
かくの如くすれば、理順にして事治る。もし、思案なく、五官を制せざれば、五官恣にして、見るまじき非礼を見、聴くまじき非礼をきき、言ふまじき非礼をいひ、動くまじき非礼をはたらく。是、心に思案なく、五官に任せて、心の官を失へるなり。たとへば、愚なる主人は、下人を制する力なく、かへつて下人より制せらるるが如し。逆にして、家治りがたし。
現代語訳
このようにすれば、理が順当で事が治まります。もし思案がなく、五官を制しなければ、五官は勝手気ままになって、見てはならない非礼を見、聞いてはならない非礼を聞き、言ってはならない非礼を言い、してはならない非礼をします。これは、心に思案がなく、五官に任せて、心の役目を失っているのです。たとえば愚かな主人が、下人を制する力がなく、かえって下人に制せられるようなものです。主従が逆になって、家は治まりにくいのです。
解説
この章句が説くこと
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