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初学訓 / 巻之一

かくのごとく萬物をあはれむを仁といふ。仁とはあはれみの心なり。是天地の御心にしたがひて、天地につかへ奉る道なり。人倫の内、親をしたしみ、次に萬民をあはれみ、次に鳥獸、およそ生ける物をそこなはず。是天地の御心にしたがひて、仁を行ふ序なり。親を愛せずして他人を愛し、人を愛せずして鳥獸を愛するは不仁なり。

新字:かくのごとく万物をあはれむを仁といふ。仁とはあはれみの心なり。是天地の御心にしたがひて、天地につかへ奉る道なり。人倫の内、親をしたしみ、次に万民をあはれみ、次に鳥獣、およそ生ける物をそこなはず。是天地の御心にしたがひて、仁を行ふ序なり。親を愛せずして他人を愛し、人を愛せずして鳥獣を愛するは不仁なり。

書き下し

かくのごとく万物をあはれむを仁といふ。仁とはあはれみの心なり。是天地の御心にしたがひて、天地につかへ奉る道なり。人倫の内、親をしたしみ、次に万民をあはれみ、次に鳥獣、およそ生ける物をそこなはず。是天地の御心にしたがひて、仁を行ふ序なり。親を愛せずして他人を愛し、人を愛せずして鳥獣を愛するは不仁なり。

現代語訳

このように万物を憐れむことを仁といいます。仁とは憐れみの心です。これは天地の御心に従って、天地に仕える道です。人の中では、まず親に親しみ、次に万民を憐れみ、次に鳥獣など、およそ生きている物を損なわない。これが天地の御心に従って仁を行う順序です。親を愛さずに他人を愛し、人を愛さずに鳥獣を愛するのは不仁です。

解説

仁は万物に及ぶとしても、そこには順序があると益軒は説きます。まず親、次に人々、そして生き物です。これは『孟子』の「親を親しみて民を仁し、民を仁して物を愛す」を踏まえた、儒学の「差等ある愛」の考えです。すべてを等しく愛せという墨子の兼愛とは異なります。現代でも、家族をないがしろにして外でだけ善人を演じたり、人には冷たいのに動物だけ可愛がったりする姿には違和感があります。近くから遠くへ、順に思いやりを広げることが自然な仁なのです。

この章句が説くこと

仁順序孟子親愛

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