大祓詞 / 神道
大祓詞(神道)の名句を、現代語訳と実践の解説つきで。全8句。
六月と十二月の晦日に朝廷で読み上げられた、祓の祝詞です。延長五年(九二七)にまとめられた『延喜式』巻八「祝詞」に「六月晦大祓」として収められ、十二月もこれに准ずるとあります。神々を集めて議り、国を委ね、荒ぶる神を掃い、天降した——という語りから始まり、この半年に人々が犯したであろう罪を数え上げ、それを祓う手順を述べ、祓われた罪が川から海へ、海から根の国へと運ばれていく道筋を描いて終わります。「科戸の風の天の八重雲を吹き放つ事の如く」「瀬織津比咩」「速開都比咩」「気吹戸主」「速佐須良比咩」——日本語で書かれた祈りの言葉として最も広く知られた一篇で、今日も全国の神社で唱えられています。読みどころは、罪を消すのではなく流すものとして扱い、その受け渡しを四柱の神で分担させているところ、そして半年に一度、身分の上下を問わず全員が同じ日に清算するという設計にあります。師導では日本語版ウィキソース「六月晦大祓祝詞」(底本=『延喜式』巻八、国立国会図書館デジタルコレクション所蔵本)を底本に、八つの段に分けて収めました。章題は本サイトの便宜で、原典にはありません。なお「国津罪」として列挙される項目には、身体的特徴や病を罪に数えるなど、今日の人権感覚では受け入れられないものが含まれます。古代の罪の観念を伝える史料としては重要ですが、章句としては採らず、解説で触れるにとどめています。