大祓詞 / 天つ神国つ神
如此乃良ば 天津神は天磐門を押披て 天之八重雲を伊頭の千別に千別て所聞食む 国津神は高山乃末短山之末に登坐して 高山の伊穂理短山の伊穂理を撥別て所聞食む
書き下し
かく宣らば、天つ神は天の磐門を押し披きて、天の八重雲を伊頭の千別きに千別きて聞こし召さむ。国つ神は高山の末・短山の末に登り坐して、高山の伊穂理・短山の伊穂理を掻き別けて聞こし召さむ。
現代語訳
こう宣るならば、天つ神は天の岩戸を押し開いて、天の八重雲を勢いよく幾重にも押し分けて聞き届けられるだろう。国つ神は高い山の頂、低い山の頂に登られて、高い山の霧、低い山の霧を掻き分けて聞き届けられるだろう。
解説
聞き届ける側の動作が描かれている。天つ神は岩戸を押し開き、雲を分けて聞く。国つ神は山に登り、霧を掻き分けて聞く。どちらも、聞くために障害を自分から取り除いている。祈りが自動的に届くのではなく、聞く側にも手間があるという形になっているのが面白い。天と国の二系統を対に置く言い方も、この詞のいたるところに出てくる。高山と短山、朝の霧と夕の霧、本と末。対にして両端を挙げることで全体を言い尽くす修辞で、漏れなく祓うという趣旨に沿っている。
この章句が説くこと
天つ神と国つ神聞こし召さむ伊頭の千別き高山の末