導師導古典を学びたいすべての人に 法人向けワークシート法人向けワークシート

新書 / 脩政語上

大禹之治天下也,諸侯萬人而禹一皆知其國,其士萬人而禹一皆知其體,故大禹豈能一見而知之也?豈能一聞而識之也?諸侯朝會而禹親報之,故是以禹一皆知其國也;其士月朝而禹親見之,故是以禹一皆知其體也。然且大禹其猶大恐,諸侯會,則問於諸侯曰:「諸侯以寡人爲驕乎?」朔日,士朝,則問於士曰:「諸侯大夫以寡人爲汰乎?其聞寡人之汰耶,而不以語寡人者,此教寡人殘道也,滅天下之教也。故寡人之所怨於人者,莫大於此也。」

新字:大禹之治天下也,諸侯万人而禹一皆知其国,其士万人而禹一皆知其体,故大禹豈能一見而知之也?豈能一聞而識之也?諸侯朝会而禹親報之,故是以禹一皆知其国也;其士月朝而禹親見之,故是以禹一皆知其体也。然且大禹其猶大恐,諸侯会,則問於諸侯曰:「諸侯以寡人為驕乎?」朔日,士朝,則問於士曰:「諸侯大夫以寡人為汰乎?其聞寡人之汰耶,而不以語寡人者,此教寡人残道也,滅天下之教也。故寡人之所怨於人者,莫大於此也。」

書き下し

大禹の天下を治むるや、諸侯万人にして禹一に皆其の国を知り、其の士万人にして禹一に皆其の体を知る。故に大禹豈に能く一たび見て之を知らんや。豈に能く一たび聞きて之を識らんや。諸侯朝会して禹親ら之に報ず。故に是を以て禹一に皆其の国を知るなり。其の士月朝して禹親ら之に見ゆ。故に是を以て禹一に皆其の体を知るなり。然り且つ大禹其れ猶お大いに恐れ、諸侯会すれば、則ち諸侯に問いて曰く、「諸侯寡人を以て驕と為すか」と。朔日、士朝すれば、則ち士に問いて曰く、「諸侯大夫寡人を以て汰と為すか。其れ寡人の汰を聞くや、而も以て寡人に語げざる者は、此れ寡人に残道を教うるなり、天下の教えを滅ぼすなり。故に寡人の人に怨む所の者は、此より大なるは莫し」と。

現代語訳

大禹が天下を治めたとき、諸侯は一万人いましたが、禹はその一人ひとりの国のことを知っており、士も一万人いましたが、その一人ひとりの人となりを知っていました。禹がひと目見ただけで分かったわけでも、ひと耳聞いただけで覚えたわけでもありません。諸侯が朝見に来れば禹みずから応対し、士が毎月の朝に来れば禹みずから会ったので、国のことも人となりも分かったのです。それでも禹はなお深く恐れ、諸侯が集まると、「諸侯は私を驕っていると思っていないか」と問い、朔日に士が参内すると、「諸侯や大夫は私をおごり高ぶっていると思っていないか。私の奢りを耳にしながら私に告げない者は、私に道を損なうことを教えるもので、天下の教えを滅ぼすことになる。私が人に対して最も怨むのは、これ以上のものはない」と問いました。

解説

禹は万人規模の諸侯や士を、噂や書類ではなく自分で会って知っていた、という話です。賈誼はここで、広く知るためには手間を惜しまず会うしかない、という当たり前の事実を先に押さえます。そのうえで禹が恐れたのは、自分の驕りを誰も告げてくれなくなることでした。耳に痛い話を黙っている臣下は、忠実なようで、実は君主を誤らせる側に立つ、と禹は見ています。組織が大きくなるほど、トップの周りは気を遣う人で固まり、悪い情報が上がらなくなります。経営者が自分で現場と会う場を持つことと、自分の欠点を尋ねる問いを口にすることは、同じ根から出ています。

この章句が説くこと

大禹諸侯朝会直言知人驕り新書

関連する章句

古典の入門書『人生の教科書』の表紙

人生の答えは、ぜんぶ古典に書いてあった。

古典の入門書『人生の教科書』(PDF)と、師導の全機能1か月がセットで700円。二十四の悩みに、論語・老子・孫子から徒然草・五輪書までが答えます。

本の中身を見る
古典の入門書『人生の教科書』(PDF)+師導1か月=700円 本を見る