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新書 / 五美

海內之勢,如身之使臂,臂之使指,莫不從制。諸侯之君敢自殺不敢反,志知必菹醢耳。不敢有異心,輻湊幷進而歸命天子。天下無可以徼幸之權,無起禍召亂之業,雖在細民,且知其安,故天下咸知陛下之明。割地定制,齊爲若干國,趙、楚爲若干國,制既各有理矣。於是齊悼惠王之子孫王之,分地盡而止,趙幽王、楚元王之子孫,亦各以次受其祖之分地,燕、吳、淮南佗國皆然。其分地衆而子孫少者,建以爲國,空而置之,須其子孫生者,舉使君之。諸侯之地其削頗入漢者,爲徙其侯國及封其子孫於彼也,所以數償之。故一寸之地,一人之衆 ,天子無所利焉,誠以定治而已,故天下咸知陛下之廉。

新字:海内之勢,如身之使臂,臂之使指,莫不従制。諸侯之君敢自殺不敢反,志知必菹醢耳。不敢有異心,輻湊幷進而帰命天子。天下無可以徼幸之権,無起禍召乱之業,雖在細民,且知其安,故天下咸知陛下之明。割地定制,斉為若干国,趙、楚為若干国,制既各有理矣。於是斉悼恵王之子孫王之,分地尽而止,趙幽王、楚元王之子孫,亦各以次受其祖之分地,燕、呉、淮南佗国皆然。其分地衆而子孫少者,建以為国,空而置之,須其子孫生者,舉使君之。諸侯之地其削頗入漢者,為徙其侯国及封其子孫於彼也,所以数償之。故一寸之地,一人之衆 ,天子無所利焉,誠以定治而已,故天下咸知陛下之廉。

書き下し

海内の勢いは、身の臂を使い、臂の指を使うが如く、従い制せざる莫し。諸侯の君は敢えて自殺するも敢えて反せず、志 必ず菹醢せらるるを知ればなり。敢えて異心有らず、輻湊し幷び進みて命を天子に帰す。天下に以て徼幸す可きの権無く、禍を起こし乱を召くの業無し。細民に在りと雖も、且つ其の安きを知る。故に天下 咸 陛下の明を知る。地を割き制を定め、斉を若干国と為し、趙・楚を若干国と為し、制 既に各おの理有り。是に於いて斉の悼恵王の子孫 之に王とし、分地 尽きて止む。趙の幽王・楚の元王の子孫も亦た各おの次を以て其の祖の分地を受け、燕・呉・淮南の他国も皆 然り。其の分地 衆くして子孫 少なき者は、建てて以て国と為し、空しくして之を置き、其の子孫の生ずる者を須ちて、挙げて之に君たらしむ。諸侯の地の其の削られて頗る漢に入る者は、為に其の侯国を徙し及び其の子孫を彼に封じ、数しば之を償う所以なり。故に一寸の地、一人の衆も、天子 利する所無く、誠に以て治を定むるのみ。故に天下 咸 陛下の廉を知る。

現代語訳

天下の勢いは、体が腕を使い、腕が指を使うようなもので、従わないものがなくなります。諸侯の君は、自ら命を絶つことはあっても、あえて反することはありません。反すれば必ず塩漬けにされると知っているからです。異心を抱かず、車輪の輻が軸に集まるように並んで進み、天子に命を預けます。天下には幸運を頼める権力も、禍を起こし乱を呼ぶ手立てもなくなります。名もない民でさえ、その安泰を知ります。だから天下の者はみな陛下の明を知るのです。土地を割いて制度を定め、斉をいくつかの国に、趙や楚もいくつかの国に分け、制度にはそれぞれ筋が通ります。そこで斉の悼恵王の子孫がそこに王となり、分ける土地がなくなればやめます。趙の幽王や楚の元王の子孫も、それぞれ順に祖先の分地を受け、燕、呉、淮南など他の国もみな同じです。分ける土地が多く子孫が少ない場合は、国を建てても空けたままにしておき、子孫が生まれるのを待って、その者に君となってもらいます。諸侯の地で削られて漢に入った部分には、その侯国を移し、子孫をそこに封じて、何度でも償います。だから一寸の土地、一人の民も、天子は利益を取らず、まことに治を定めるだけなのです。そこで天下はみな陛下の廉を知るのです。

解説

いわゆる「五美」の前半で、地を割って諸侯を分ける制度が、天下に陛下の明と廉を示すと述べる段です。賈誼の論は、まず勢いが整えば誰も逆らえないという状態を描き、次に具体策として、斉や趙、楚を子孫の数だけ分けるやり方を示します。子孫が少ない国は空けて置くという配慮や、削られた地の分を別に償う点が、利を取るためではないという根拠です。ここでは賈誼が「明」「廉」と徳目の名で制度を意味づけているのが特徴です。現代の組織再編でも、権限や持ち場を分けるときに、誰の得にもしないと明言し補償を用意できるかが、納得を左右します。再編の公正さが、そのまま信頼になる点が参考になります。

この章句が説くこと

五美割地明廉再編新書

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