慎思録 / 巻之六
通讀於歷史通鑑。則天下之廣。千古之久。瞭然盡在胸中矣。考其徃迹。可以爲將來之龜鑑。可以補翼聖經。而廣義理之趣。且泛覽千古。亦可以爲人生之喜樂。
新字:通読於歴史通鑑。則天下之広。千古之久。瞭然尽在胸中矣。考其往迹。可以為将来之亀鑑。可以補翼聖経。而広義理之趣。且泛覧千古。亦可以為人生之喜楽。
書き下し
歴史通鑑を通読すれば、則ち天下の広き、千古の久しき、瞭然として尽く胸中に在り。其の往迹を考へて、以て将来の亀鑑と為すべく、以て聖経を補翼して、義理の趣を広むべし。且つ千古を泛覧するも、亦以て人生の喜楽と為すべし。
現代語訳
歴史書や『資治通鑑』を通して読めば、天下の広さも千年の長さも、はっきりとすべて胸の中に収まります。過去の事跡を考えて将来の手本とすることができ、聖人の経書を補い助けて道理の趣を広げることができます。また千年の歴史を広く見渡すことも、人生の喜びとなります。
解説
歴史書を通読する効用を、将来の鑑、経書の補い、人生の楽しみの三点から説いた条です。『資治通鑑』は北宋の司馬光が編んだ編年体の通史で、朱子はこれを綱目に改めました。益軒は経書だけでなく歴史を重んじ、自ら『黒田家譜』を編み、また日本の歴史にも通じていました。歴史を学ぶことは、過去の成功と失敗を自分の判断の材料にすることです。同時に、長い時間の流れを眺めること自体が心を広くし、日々の悩みを相対化してくれます。
この章句が説くこと
歴史読書亀鑑学問通鑑
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