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慎思録 / 巻之六

冬之所以成四時之終。又能成四時之始者。何也。葢陽氣之潜伏乎內者。所以爲來年發生之本始也。衆物之枯落朽滅乎外者。所以爲往歲遂成之末終也。如上林賦所謂季冬之月。萬物權輿於內。殂落於外。是也。此造化流行之妙理。學者所當玩味也。

新字:冬之所以成四時之終。又能成四時之始者。何也。葢陽気之潜伏乎内者。所以為来年発生之本始也。衆物之枯落朽滅乎外者。所以為往歳遂成之末終也。如上林賦所謂季冬之月。万物権輿於内。殂落於外。是也。此造化流行之妙理。学者所当玩味也。

書き下し

冬の四時の終はりを成し、又能く四時の始めを成す所以の者は、何ぞや。蓋し陽気の内に潜伏する者は、来年発生の本始と為る所以なり。衆物の外に枯落朽滅する者は、往歳遂成の末終と為る所以なり。上林賦の所謂、季冬の月、万物内に権輿し、外に殂落すと謂ふが如き、是れなり。此れ造化流行の妙理にして、学者の当に玩味すべき所なり。

現代語訳

冬が四季の終わりを成し、さらに四季の始めをも成すことができるのはなぜでしょうか。思うに陽の気が内に潜み伏していることが、来年の芽生えの本となるゆえんです。多くの物が外で枯れ落ち朽ちていくことが、過ぎた一年が成し遂げられた終わりとなるゆえんです。「上林賦」に「冬の終わりの月、万物は内に萌し始め、外に枯れ落ちる」とあるのがこれです。これは天地の造化の流れの妙なる理で、学ぶ者がよく味わうべきところです。

解説

冬に三たび立ち返り、外で枯れ落ちる終わりと、内に陽気が潜む始まりが同時にあることを説いた条です。引用は漢の司馬相如「上林賦」とされますが、同趣旨の句は『淮南子』などにも見えます。「権輿」は物事の始まりを言います。『易経』の復卦に、冬至に一陽が生じるとする考えにも通じます。外から見れば衰えや終わりに見える時期にも、内では次の芽が育っています。停滞や挫折の時期を、次の始まりを準備する時と見直す視点を与えてくれます。

この章句が説くこと

造化陽気循環天道

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