慎思録 / 巻之四
造化之運。一歲一番新。至冬則陽氣閉藏。生意凝結。而若亡。衆卉亦枝莖花葉枯落成塵。春至則復新生發。是天道之一終始也。年年如此。往而復來。所以造化之生理。循環而不息也。
新字:造化之運。一歳一番新。至冬則陽気閉蔵。生意凝結。而若亡。衆卉亦枝茎花葉枯落成塵。春至則復新生発。是天道之一終始也。年年如此。往而復来。所以造化之生理。循環而不息也。
書き下し
造化の運りは、一歳に一番新たなり。冬に至れば則ち陽気閉蔵し、生意凝結して、亡きが若し。衆卉も亦た枝茎花葉枯れ落ちて塵と成る。春至れば則ち復た新たに生発す。是れ天道の一終始なり。年年此の如く、往きて復た来たる。造化の生理の、循環して息まざる所以なり。
現代語訳
天地の造化のめぐりは、一年ごとに一度新しくなります。冬になると陽気は閉じこもり、生きる気は凝り固まって、まるでなくなったかのようです。多くの草木も枝・茎・花・葉が枯れ落ちて塵となります。春になるとまた新しく芽生え育ちます。これが天道の一つの終わりと始まりです。毎年このようで、去ってはまた来ます。これが造化の生きる理が、めぐって止まないわけです。
解説
冬に枯れ春に芽吹く草木の姿から、天地の生きる理が循環して止まないことを説いた短い条です。すべてが枯れて何もないように見える冬にも、陽気は閉じこもって蓄えられており、春になれば再び新しく生まれ出ると益軒は言います。本草学者として植物を観察し続けた益軒らしい、自然に即した天道の説明です。停滞や不調の時期も終わりではなく、次の芽吹きのための蓄えの時だと捉える見方は、仕事や人生の冬の時期を過ごす心の支えになってくれます。
この章句が説くこと
造化循環天道生理自然
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