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慎思録 / 巻之三

學者須知所可益。知所可損。知所可戒。知所可守。葢遷善改過。是所可益也。懲忿窒慾。是所可損也。去矜字。是所可戒也。存謙字。是所可守也。此四者。便是修身之要也。

新字:学者須知所可益。知所可損。知所可戒。知所可守。葢遷善改過。是所可益也。懲忿窒慾。是所可損也。去矜字。是所可戒也。存謙字。是所可守也。此四者。便是修身之要也。

書き下し

学者須らく益すべき所を知り、損すべき所を知り、戒むべき所を知り、守るべき所を知るべし。蓋し善に遷り過を改むるは、是れ益すべき所なり。忿を懲らし慾を窒ぐは、是れ損すべき所なり。矜の字を去るは、是れ戒むべき所なり。謙の字を存するは、是れ守るべき所なり。此の四者は、便ち是れ修身の要なり。

現代語訳

学ぶ者は、増やすべきもの、減らすべきもの、戒めるべきもの、守るべきものを知らなければなりません。善に移り過ちを改めることが、増やすべきものです。怒りをこらえ欲をふさぐことが、減らすべきものです。「矜(おごり)」の字を去ることが、戒めるべきものです。「謙(へりくだり)」の字を保つことが、守るべきものです。この四つが、そのまま修身の要なのです。

解説

修身の要を四つにまとめた、覚えやすい一条です。「善に遷り過を改む」は『易』益卦の象伝、「忿を懲らし慾を窒ぐ」は『易』損卦の象伝の言葉で、益と損の卦にそれぞれ対応させています。「矜の字を去る」は謝良佐が程子に学んで得た工夫として『近思録』などに伝わるもので、謙は『易』謙卦の「謙は亨る」に通じます。何を増やし、何を減らし、何を戒め、何を守るかを明確にする整理は、自分の成長課題を点検する枠組みとして今でも使えます。

この章句が説くこと

修身謙虚改過忿

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