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慎思録 / 巻之二

天道運而無息。四時行焉。百物生焉。天地之道無私。所以萬古不易。終天不改也。人心有私。故不能與天地之道相似。所以迨澆漓之時。人心世道漸變。而增衰也。

新字:天道運而無息。四時行焉。百物生焉。天地之道無私。所以万古不易。終天不改也。人心有私。故不能与天地之道相似。所以迨澆漓之時。人心世道漸変。而增衰也。

書き下し

天道は運りて息む無く、四時行はれ、百物生ず。天地の道は私無し。万古易はらず、終天改まらざる所以なり。人心は私有り。故に天地の道と相似ること能はず。澆漓の時に迨ぶ所以にして、人心世道漸く変じて、衰へを増すなり。

現代語訳

天の道はめぐって休むことがなく、四季がめぐり、あらゆる物が生まれます。天地の道には私心がありません。だから永遠に変わらず、天の果てまで改まらないのです。人の心には私心があります。だから天地の道と似ることができません。これが薄っぺらな時代に至るわけで、人の心も世の道も次第に変わって、衰えを増していくのです。

解説

天地が永遠に変わらないのは私心がないからで、人の世が衰えるのは私心があるからだ、という対比の条です。「四時行はれ、百物生ず」は『論語』陽貨篇の「天何をか言はんや」の言葉です。天地の無私は朱子学で聖人の理想とされる姿でもあります。組織が長く続くか衰えるかも、上に立つ人の私心の有無に左右されることが多いものです。自分の利害を離れて物事を見られるかどうかが、長く変わらない信頼を生む、と教えてくれます。

この章句が説くこと

天道無私私心世道不易

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