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新語 / 思務

夫口誦聖人之言,身學賢者之行,久而不弊,勞而不廢,雖未為君□□□□□□已。孔子曰:「行夏之時,乘殷之輅,服周之冕,樂則韶舞,放鄭聲,遠佞人。」□□□道而行之於世,雖非堯、舜之君,則亦堯、舜也。今之為君者則不然,治不以五帝之術,則曰今之世不可以道德治也。為臣者不思稷、契,則曰今之民不可以仁義正也。為子者不執曾、閔之質,朝夕不休,而曰家人不和也。學者不操回、賜之精,晝夜不懈,而曰世所不行也。自人君至於庶人,未有不法聖道而為賢者也。易曰:「豐其屋,蔀其家,闚其戶,閴其無人。」無人者,非無人也,言無聖賢以治之耳。

新字:夫口誦聖人之言,身学賢者之行,久而不弊,労而不廃,雖未為君□□□□□□已。孔子曰:「行夏之時,乗殷之輅,服周之冕,楽則韶舞,放鄭声,遠佞人。」□□□道而行之於世,雖非堯、舜之君,則亦堯、舜也。今之為君者則不然,治不以五帝之術,則曰今之世不可以道徳治也。為臣者不思稷、契,則曰今之民不可以仁義正也。為子者不執曽、閔之質,朝夕不休,而曰家人不和也。学者不操回、賜之精,昼夜不懈,而曰世所不行也。自人君至於庶人,未有不法聖道而為賢者也。易曰:「豊其屋,蔀其家,闚其戸,閴其無人。」無人者,非無人也,言無聖賢以治之耳。

書き下し

夫れ口に聖人の言を誦し、身に賢者の行いを学び、久しくして弊れず、労して廃せざれば、未だ君為らずと雖も□□□□□□已む。孔子曰く、「夏の時を行い、殷の輅に乗り、周の冕を服し、楽は則ち韶舞、鄭声を放ち、佞人を遠ざく」と。□□□道にして之を世に行えば、堯・舜の君に非ずと雖も、則ち亦た堯・舜なり。今の君為る者は則ち然らず。治むるに五帝の術を以てせず、則ち曰く、今の世は道徳を以て治む可からずと。臣為る者は稷・契を思わず、則ち曰く、今の民は仁義を以て正す可からずと。子為る者は曾・閔の質を執らず、朝夕休まずして、曰く、家人和せずと。学者は回・賜の精を操らず、昼夜懈らずして、曰く、世の行われざる所なりと。人君より庶人に至るまで、未だ聖道に法らずして賢と為る者有らざるなり。易に曰く、「其の屋を豊かにし、其の家を蔀い、其の戸を闚えば、閴として其れ人無し」と。人無しとは、人無きに非ず、聖賢の以て之を治むる無きを言うのみ。

現代語訳

口に聖人の言葉を唱え、身に賢者の行いを学び、長く続けても崩れず、苦労しても投げ出さなければ、まだ君主でなくても(欠字)のみです。孔子は「夏の暦を用い、殷の車に乗り、周の冠をつけ、音楽は韶の舞を用い、鄭の淫らな音楽を捨て、口先の巧みな人を遠ざけよ」と言いました。(欠字)道としてそれを世に行えば、堯・舜のような君主でなくても、堯・舜と同じです。いまの君主はそうではありません。五帝の術で治めず、「いまの世は道徳では治められない」と言います。臣下は稷や契を思わず、「いまの民は仁義では正せない」と言います。子は曾子や閔子騫の質を持たず、朝も夕も休まずにいながら、「家の者が和合しない」と言います。学ぶ者は顔回や子貢の精を持たず、昼夜怠らないふりをして、「世に行われない」と言います。君主から庶民まで、聖人の道に則らずに賢者となった者はありません。『易』には「その屋を豊かにし、その家を覆い、その戸をのぞけば、ひっそりとして人がいない」とあります。人がいないとは、本当に人がいないのではなく、聖賢が治める者がいないということです。

解説

聖人の言葉と賢者の行いを続ければ、君主でなくても堯舜と同じだ、という強い言い切りの段です。続けて、今の君主・臣下・子・学者がそれぞれ「今は無理だ」と言い訳する姿を並べます。陸賈は、時代のせいにする言い訳を退け、聖道に則ることを求めています。『易』の「その戸を闚えば閴として人無し」も、人がいないのではなく聖賢が治める者がいないことだと読み替えます。なお欠字が数か所あり、冒頭の結論と中盤の語は読み切れません。現代の組織でも、人材がいない、時代が違うと言う前に、基準を持った人が治めているかを問う視点になります。

この章句が説くこと

言い訳聖道堯舜実践人材新語

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