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新語 / 至德

昔者,晉厲、齊莊、楚靈、宋襄,乘大國之權,杖眾民之威,軍師橫出,陵轢諸侯,外驕敵國,內刻百姓,鄰國之讎結於外,羣臣之怨積於內,而欲建金石之統,繼不絕之世,豈不難哉?故宋襄死於泓之戰,三君弒於臣之手,皆輕師尚威,以致於斯,故春秋重而書之,嗟歎而傷之。三君強其威而失其國,急其刑而自賊,斯乃去事之戒,來事之師也。

新字:昔者,晋厲、斉荘、楚霊、宋襄,乗大国之権,杖衆民之威,軍師横出,陵轢諸侯,外驕敵国,内刻百姓,鄰国之讎結於外,羣臣之怨積於内,而欲建金石之統,継不絶之世,豈不難哉?故宋襄死於泓之戦,三君弒於臣之手,皆軽師尚威,以致於斯,故春秋重而書之,嗟嘆而傷之。三君強其威而失其国,急其刑而自賊,斯乃去事之戒,来事之師也。

書き下し

昔者、晋の厲、斉の荘、楚の霊、宋の襄、大国の権に乗じ、衆民の威に杖り、軍師横に出で、諸侯を陵轢し、外は敵国に驕り、内は百姓に刻なり。鄰国の讎は外に結び、群臣の怨みは内に積む。而して金石の統を建て、不絶の世を継がんと欲す。豈に難からずや。故に宋襄は泓の戦に死し、三君は臣の手に弑せらる。皆師を軽んじ威を尚び、以て斯に致す。故に春秋は重んじて之を書し、嗟歎して之を傷む。三君は其の威を強くして其の国を失い、其の刑を急にして自ら賊う。斯れ乃ち去事の戒め、来事の師なり。

現代語訳

昔、晋の厲公、斉の荘公、楚の霊王、宋の襄公は、大国の権勢に乗り、多くの民の威に頼り、軍を思うままに出して諸侯を踏みにじり、外では敵国に驕り、内では民に苛酷でした。隣国の恨みは外に結び、群臣の怨みは内に積もりました。それで金石のような堅い統治を建て、絶えない世代を継ごうとしても、難しいではありませんか。だから宋の襄公は泓の戦で死に、三人の君は臣の手で弑されました。みな軍を軽んじ威を尚んで、こうなったのです。それで『春秋』は重んじてこれを書き、嘆いて悼みました。三人の君は威を強くして国を失い、刑を急にして自分を損ないました。これこそ過去の戒めであり、将来の師なのです。

解説

この段は、権勢に驕り、軍と刑で押さえた君主たちが、国を失い命を落とした例を挙げています。陸賈は、晋の厲公・斉の荘公・楚の霊王・宋の襄公の事績を並べ、外には敵国、内には民と群臣という、二方向に怨みを積んだことが破滅につながったとします。「威を強くして国を失い、刑を急にして自ら賊う」という一句が要点です。個別の事績の細部は断定せず、ここでは戒めとしての筋道を読めばよいでしょう。経営でも、規模や地位の力を背景に社内外へ圧をかける運営は、取引先と社員の双方に恨みを蓄えます。経営者は、強さを示す行動が、いつ怨みの積み立てに変わるかを自分に問い続けたいものです。

この章句が説くこと

驕威刑覆轍怨み新語

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