新語 / 道基
傳曰:「天生萬物,以地養之,聖人成之。」功德參合,而道術生焉。故曰:張日月,列星辰,序四時,調陰陽,布氣治性,次置五行,春生夏長,秋收冬藏,陽生雷電,陰成霜雪,養育羣生,一茂一亡,潤之以風雨,曝之以日光,溫之以節氣,降之以殞霜,位之以眾星,制之以斗衡,苞之以六合,羅之以紀綱,改之以災變,告之以禎祥,動之以生殺,悟之以文章。故在天者可見,在地者可量,在物者可紀,在人者可相。故地封五嶽,畫四瀆,規洿澤,通水泉,樹物養類,苞植萬根,暴形養精,以立羣生,不違天時,不奪物性,不藏其情,不匿其詐。故知天者仰觀天文,知地者俯察地理。跂行喘息,蜎飛蠕動之類,水生陸行,根著葉長之屬,為寧其心而安其性,蓋天地相承,氣感相應而成者也。
新字:伝曰:「天生万物,以地養之,聖人成之。」功徳参合,而道術生焉。故曰:張日月,列星辰,序四時,調陰陽,布気治性,次置五行,春生夏長,秋収冬蔵,陽生雷電,陰成霜雪,養育羣生,一茂一亡,潤之以風雨,曝之以日光,温之以節気,降之以殞霜,位之以衆星,制之以斗衡,苞之以六合,羅之以紀綱,改之以災変,告之以禎祥,動之以生殺,悟之以文章。故在天者可見,在地者可量,在物者可紀,在人者可相。故地封五嶽,画四瀆,規洿沢,通水泉,樹物養類,苞植万根,暴形養精,以立羣生,不違天時,不奪物性,不蔵其情,不匿其詐。故知天者仰観天文,知地者俯察地理。跂行喘息,蜎飛蠕動之類,水生陸行,根著葉長之属,為寧其心而安其性,蓋天地相承,気感相応而成者也。
書き下し
伝に曰く、「天は万物を生じ、地を以て之を養い、聖人之を成す」と。功徳参合して、道術生ず。故に曰く、日月を張り、星辰を列ね、四時を序し、陰陽を調え、気を布き性を治め、次いで五行を置く。春は生じ夏は長じ、秋は収め冬は蔵す。陽は雷電を生じ、陰は霜雪を成す。群生を養育し、一は茂り一は亡ぶ。之を潤すに風雨を以てし、之を曝すに日光を以てし、之を温むるに節気を以てし、之を降すに殞霜を以てし、之を位するに衆星を以てし、之を制するに斗衡を以てし、之を苞むに六合を以てし、之を羅ぬるに紀綱を以てし、之を改むるに災変を以てし、之に告ぐるに禎祥を以てし、之を動かすに生殺を以てし、之を悟らしむるに文章を以てす。故に天に在る者は見る可く、地に在る者は量る可く、物に在る者は紀す可く、人に在る者は相る可し。故に地は五嶽を封じ、四瀆を画し、洿沢を規り、水泉を通じ、物を樹え類を養い、万根を苞植し、形を暴し精を養い、以て群生を立つ。天時に違わず、物性を奪わず、其の情を蔵さず、其の詐を匿さず。故に天を知る者は仰ぎて天文を観、地を知る者は俯して地理を察す。跂行喘息、蜎飛蠕動の類、水に生じ陸に行き、根著き葉長ずるの属、其の心を寧んじ其の性を安んずるが為にして、蓋し天地相承け、気感じ相応じて成る者なり。
現代語訳
伝にこうあります。「天は万物を生み、地はそれを養い、聖人がそれを完成させる」。天・地・人の働きが合わさって、道の術が生まれました。そこで言います。天は日月を掲げ、星々を並べ、四季の順序を定め、陰陽を整え、気を行き渡らせて性を治め、続いて五行を置きました。春に生まれ夏に育ち、秋に収め冬に蔵します。陽は雷電を生み、陰は霜や雪を成します。あらゆる生き物を養い育て、あるものは茂りあるものは滅びます。風雨で潤し、日光で乾かし、季節の気で温め、霜を降ろして枯らし、多くの星で位置を定め、北斗と衡で秩序づけ、天地四方で包み、綱紀で網のようにまとめ、災いの変事で改めさせ、めでたい兆しで知らせ、生と殺で動かし、文章で悟らせます。だから天にあるものは目に見え、地にあるものは測れ、物にあるものは記録でき、人にあるものは見立てることができます。地は五つの山を定め、四つの大河を画し、沢を区切り、泉を通じ、草木を植えて種類を養い、あらゆる根を包み育て、形をさらして精を養い、こうして生き物を立たせます。天の時節に背かず、物の性質を奪わず、その実情を隠さず、そのいつわりも隠しません。だから天を知る者は仰いで天文を観、地を知る者は俯して地理を察します。這うもの、息をするもの、飛ぶ虫、うごめく虫、水に生まれ陸を行くもの、根を張り葉を伸ばすものまで、みなその心を落ち着け性を安んじるためのものであり、天地が受け継ぎ合い、気が感じて応じ合うことで成り立っているのです。
解説
この章句が説くこと
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新語・明誡聖人は天の明を承け、日月の行を正し、星辰の度を録し、天地の利に因り、高下の宜しきを等しくし、山川の便を設け、四海を平らげ、九州を分かち、好悪を同じくし、風俗を一にす。易に曰く、「天は象を垂れ、吉凶を見わし、聖人之に則る。天は善道を出だし、聖人之を得たり」と。言うこころは、占図歴の変を御し、下は風化の失を衰え、以て盛衰を匡し、物を紀し世を定むれば、後に行う可からざるの政無く、治む可からざるの民無きなり。故に曰く、「天の明に則り、地の利に因る」と。天の化を観て、万事の類を推演し、之を□□の閒に散じ、之を調うるに寒暑の節を以てし、之を養うに四時の気を以てし、之を同じくするに風雨の化を以てす。故に絶国異俗、□□□を知らざる莫く、楽しめば則ち歌い、哀しめば則ち哭するは、蓋し聖人の教えの斉一する所なり。
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文子・九守老子曰く、天地未だ形れず、窈窈冥冥として、渾じて一と為り、寂然として清澄なり。重濁は地と為り、精微は天と為る。離れて四時と為り、分かれて陰陽と為る。精気は人と為り、粗気は虫と為る。剛柔相い成りて、万物乃ち生ず。精神は天に本づき、骨骸は地に根ざす。精神其の門に入り、骨骸其の根に反れば、我尚お何をか存せん。故に聖人は天に法り地に順い、俗に拘われず、人に誘われず、天を以て父と為し、地を以て母と為し、陰陽を綱と為し、四時を紀と為す。天は静かにして以て清く、地は定まりて以て寧し。万物は之に逆らえば死し、順えば生く。故に静漠なる者は神明の宅、虚無なる者は道の居る所なり。夫れ精神は天より受くる所の者、骨骸は地より稟くる所の者なり。「道は一を生じ、一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず。万物は陰を負いて陽を抱き、沖気以て和を為す」と。
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新語・思務昔、舜・禹は盛に因りて世を治め、孔子は衰を承けて功を作す。聖人は空しく出でず、賢者は虚しく生まれず、□□□□□□して善に帰す。斯れ乃ち天地の法にして其の事を制し、世の便にして其の義を設くるなり。故に聖人は必ずしも道を同じくせず、□□□□□□、好き者は必ずしも色を同じくせずして皆な美なり、醜き者は必ずしも状を同じくせずして皆な悪し。天地の数は、斯れ命の象なり。日□□□□□□□□八宿並び列び、各おの主る所有り、万端路を異にし、千法形を異にす。聖人は其の勢に因りて之を調え、小大をして相い踰ゆるを得ざらしめ、方円をして相い干すを得ざらしめ、之を分かつに度を以てし、之を紀するに節を以てす。星は昼に見われず、日は夜に照らさず、雷は冬に発せず、霜は夏に降らず。臣の君を凌がざれば、則ち陰は□□陽せず。盛夏に暑からず、隆冬に霜ふらず、黒気日を苞み、彗星光を揚げ、虹蜺冬に見われ、蟄蟲夏に藏れ、熒惑宿を乱し、衆星行を失う。聖人は変に因りて功を立て、異に由りて太平を致す。堯・舜は蚩尤の失を承けて、欽明の道を思い、君子は悪を外に見れば、則ち変を内に知るなり。
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『潜夫論』本訓上古の世、太素の時、元気窈冥にして、未だ形兆有らず。万精合并し、混じて一と為り、製する莫く禦する莫し。斯くの若くして之を久しくし、翻然として自ら化し、清濁分別し、変じて陰陽を成す。陰陽に体有りて、実に両儀を生じ、天地壹鬱として、万物化して淳く、和気人を生じ、以て之を統理す。是の故に天は諸れを陽に本づき、地は諸れを陰に本づき、人は中和に本づく。三才は務めを異にし、相い待ちて成り、各おの其の道に循えば、和気乃ち臻り、璣衡乃ち平らかなり。天道は日に施し、地道は日に化し、人道は日に為す。為すとは、蓋し所謂る陰陽に感通して珍異を致すなり。人の行いの天地を動かすは、譬えば猶お車上に四馬を御し、蓬中に舟船を擢するがごとし。覆載せらるる所と為ると雖も、然れども亦た我が何れの所に之くべきかに在り。孔子曰く、「時に六龍に乗りて以て天を御す」と。言行は、君子の天地を動かす所以なり、慎まざるべけんや。此れ従り観れば、天は其の兆を呈し、人は其の勲を序す。《書》に故に曰く、「天の功は、人其れ之に代わる」と。如し蓋し其の政を理めて以て天気を和し、以て其の功を臻さん。是の故に道徳の用は、気より大なるは莫し。道は之の根なり、気は変ずる所なり、神気の動かす所なり。
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『管子』內業凡そ道は、根無く莖無く、葉無く榮無し。萬物以て生じ、萬物以て成る、之を命づけて道と曰う。天は正を主り、地は平を主り、人は安静を主る。春秋冬夏は、天の時なり。山陵川谷は、地の枝なり。喜怒取予は、人の謀なり。是の故に聖人は時と變じて化せず、物に從いて移らず。能く正しく能く静かにして、然る後に能く定まる。定心中に在れば、耳目聰明にして、四枝堅固、以て精舍と為す可し。精なる者は、氣の精なる者なり。氣あれば、道乃ち生じ、生ずれば乃ち思い、思えば乃ち知り、知れば乃ち止まる。凡そ心の形、知に過ぐれば生を失う。一物能く化する、之を神と謂う。一事能く變ずる、之を智と謂う。化して氣を易えず、變じて智を易えず。惟だ一を執るの君子のみ能く此れを為すか。一を執りて失わざれば、能く萬物に君たり。君子は物を使いて、物に使われず。一を得るの理、心を治むるは中に在り、言を治むるは口より出で、事を治むるは人に加わる。然らば則ち天下治まる。一言得て天下服し、一言定まりて天下聽く、公の謂いなり。
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『慎思録』巻之四天運りて息まず。故に四時行はれ、百物生ずるは、是れ乃ち道の変化流行して其の功を成す所以なり。而して此の道必ず気有りて流行変化す。気の流行変化する所以は、其の実即ち道之が主宰を為して、万化出づ。所謂天は陰陽五行を以て万物を化生す、是れなり。道の中、自ら気有りて具はる。諸を人身の必ず四体有るに譬ふ。苟も四体無ければ、則ち以て人と為すべからず。苟も気無ければ、則ち以て道と為すべからず。気は動静無きこと能はず。此に於て陰陽有り。陰陽は道中の物なり。道の外に在るに非ず。故に道を言へば、則ち気を統べて其の中に在り。分析して二物と為すべからず。古昔の聖人、未だ嘗て道と陰陽とを以て二と為して説かず。理気混同して間無きを見るべし。道は陰陽を主りて、陰陽其の中に在り。然らば則ち理の外に気無し。故に曰く、天地の間、唯だ道有るのみ、更に何物か有らんや、と。
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