管子 / 內業
凡道,無根無莖,無葉無榮;萬物以生,萬物以成,命之曰道。天主正,地主平,人主安靜。春秋冬夏,天之時也。山陵川谷,地之枝也。喜怒取予,人之謀也。是故聖人與時變而不化,從物而不移。能正能靜,然後能定。定心在中,耳目聰明,四枝堅固,可以為精舍。精也者,氣之精者也。氣,道乃生,生乃思,思乃知,知乃止矣。凡心之形,過知失生。一物能化謂之神,一事能變謂之智。化不易氣,變不易智。惟執一之君子能為此乎!執一不失,能君萬物。君子使物,不為物使,得一之理,治心在於中,治言出於口,治事加於人,然則天下治矣。一言得而天下服,一言定而天下聽,公之謂也。
新字:凡道,無根無茎,無葉無栄;万物以生,万物以成,命之曰道。天主正,地主平,人主安静。春秋冬夏,天之時也。山陵川谷,地之枝也。喜怒取予,人之謀也。是故聖人与時変而不化,従物而不移。能正能静,然後能定。定心在中,耳目聰明,四枝堅固,可以為精舎。精也者,気之精者也。気,道乃生,生乃思,思乃知,知乃止矣。凡心之形,過知失生。一物能化謂之神,一事能変謂之智。化不易気,変不易智。惟執一之君子能為此乎!執一不失,能君万物。君子使物,不為物使,得一之理,治心在於中,治言出於口,治事加於人,然則天下治矣。一言得而天下服,一言定而天下聴,公之謂也。
書き下し
凡そ道は、根無く莖無く、葉無く榮無し。萬物以て生じ、萬物以て成る、之を命づけて道と曰う。天は正を主り、地は平を主り、人は安静を主る。春秋冬夏は、天の時なり。山陵川谷は、地の枝なり。喜怒取予は、人の謀なり。是の故に聖人は時と變じて化せず、物に從いて移らず。能く正しく能く静かにして、然る後に能く定まる。定心中に在れば、耳目聰明にして、四枝堅固、以て精舍と為す可し。精なる者は、氣の精なる者なり。氣あれば、道乃ち生じ、生ずれば乃ち思い、思えば乃ち知り、知れば乃ち止まる。凡そ心の形、知に過ぐれば生を失う。一物能く化する、之を神と謂う。一事能く變ずる、之を智と謂う。化して氣を易えず、變じて智を易えず。惟だ一を執るの君子のみ能く此れを為すか。一を執りて失わざれば、能く萬物に君たり。君子は物を使いて、物に使われず。一を得るの理、心を治むるは中に在り、言を治むるは口より出で、事を治むるは人に加わる。然らば則ち天下治まる。一言得て天下服し、一言定まりて天下聽く、公の謂いなり。
現代語訳
道には根も茎もなく、葉も花もない。それでいて万物はそれによって生まれ、それによって成る。これを道と名づける。天は正しさを司り、地は平らかさを司り、人は安らかな静けさを司る。春秋冬夏は天の時である。山や丘や川や谷は地の枝である。喜びと怒り、取ることと与えることは人のはかりごとである。だから聖人は時とともに変わりながら質は変わらず、物に従いながら移らない。正しくあり静かであって、そのうえで定まる。定まった心が内にあれば、耳目は聡く明るく、四肢は堅く固く、精の宿としてよい。精とは気の精しいものである。気があれば道が生まれ、生まれれば思い、思えば知り、知れば止まる。心のかたちが知を越えれば、生を失う。一つの物をよく変えられるのを神といい、一つの事をよく変えられるのを智という。変えても気を取り替えず、変わっても智を取り替えない。ただ一を握る君子だけがこれをできるのだろう。一を握って失わなければ、万物の君となれる。君子は物を使って、物に使われない。一を得た理として、心を治めるのは内にあり、言葉を治めるのは口から出て、事を治めるのは人に及ぶ。そうであれば天下は治まる。ひとことで天下が服し、ひとことで天下が聴く。これを公という。
解説
この章句が説くこと
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